NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
海外温泉ニュース バックナンバーへ




イスラエルの温泉-2-



保養地としての死海の特性
死海の成分や死海周辺の空気が美容と健康によい効果をもたらす事実は、古代から知られていたようだ。クレオパトラも注目し、死海に彼女専用の化粧品工場がつくられたと古い文献に記述がある。

  セラピー 素材(浴) 特徴
1. 気候療法(Climatotherapy) 空気浴 20%濃い酸素
2. 日光療法(Heliotherapy) 日光浴 カットされた紫外線
3. 水治療法(Balneotherapy) 温泉・鉱泉 豊富なミネラル
4. 海洋療法(Tharassotherpy) 海水浴 10倍の濃度
5. 泥療法(Pelotherpy) 泥浴 豊富なミネラル




死海周辺は亜熱帯性気候に位置し、空気は乾燥し、周りは砂漠で森林や都市もなく、花粉などのアレルギー因子や、人工的な汚染から完全に隔離された理想的な保養地である。死海の水はミネラル分が豊富で、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムなどさまざまな成分が塩基物となって地中海の10倍、30%という濃厚な海水となっている。殺菌効果も高く、乾癬などの皮膚疾患、スポーツやリウマチからくる関節疾患、アトピーなどのアレルギー疾患などに優れた効果をもたらしている。




死海の浮遊体験は有名ですが、豊富なミネラルを多量に含んだ死海の沈殿した泥は、イタリアのファンゴと同じように世界的に有名で、ペロイド(マッド)として、死海の保養施設で利用されたり、化粧品の原材料として、世界中に輸出されています。死海でリラックスできる要因として、酸素濃度の濃さがあります。



死海は海抜マイナス400mの断層帯の底にあり、平地の約10-20%の酸素の濃度が濃く、心拍数を最大20%減少させ、小脳や肺を休める効果があります。また、死海の海水が蒸発し、死海の上空にイオン化された薄い靄が発生し、天然のフィルターとして、肌に有害な紫外線がカットされ、理想的な日光浴が楽しめます。

温泉センターの施設は、海水濃度の10倍の塩分濃度を持ち、マグネシウムや臭素などミネラル豊富な死海の海水を利用した各種プールと地下24.4mから平均毎分40立方メートル湧出する温泉を利用した温泉プール、死海の泥を体に塗る屋外施設などからなります。温泉は硫黄泉で、主に関節炎、皮膚疾患、呼吸器疾患に有効であると専門家は報告しています。

このように死海は人工では決してつくられることのない理想的な保養地で、美容や健康づくり、各種疾患の療養に年間200万人が訪れるユートピア・リゾートです。



バックナンバーへ


HomeColumnOn-LineFileSearchSite map




NPO法人健康と温泉フォーラムについてのご意見、ご感想をお寄せください。