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旅行作家 竹村 節子氏がお薦めする
"癒しの温泉" シリーズ  第5回

竹村 節子 竹村 節子
温泉雑誌の編集者を経て旅行作家へ。現在は、(株)現代旅行研究所の専務取締役。旅行雑誌、婦人雑誌などへの執筆も多く、講演も行う。温泉に関する著書多数。全国の温泉地をつぶさに周り、各地とのネットワークも広い。


草津温泉(群馬県)

東日本の名湯としてあまりにも名高い草津温泉。いまさら紹介するにはあたるまいと 思う人も少なく無いと思う。それでいて「行ってみたい温泉」などのアンケートをと ると、いつもトップを占める人気の温泉でもある。私など宿泊料金がめちゃくちゃ高 いので、どちらかというと敬遠しがちな温泉の一つなのだが。 思うに泉質の優秀さと豊富さ。高原としての自然環境に恵まれていること。ショッピ ングを楽しめる昔ながらの湯町が健在であること。加えて町中に点在する18ヶ所にも 及ぶ共同浴場の多さなどが、多様な温泉トリップを楽しめるからではないか、と推測 している。

老朽化していた共同浴場も、町の努力で順次なつかしい湯屋造り風に改築され、一部 を除き無料利用が出来るところから、気ままに梯子湯が楽しめるところも有り難い。
本来が地元の人々の共同湯で、いまも清掃管理は隣組の自治でやっているから「入浴 させていただく」というよそ者としての「遠慮」がなくては入浴する資格がない。きれいに汚さぬように利用させていただくことを心掛けるのが旅人としてのエチケット というものだ。


昨秋、この共同湯にニューフェースが加わった。
目下全国的に人気の「足湯」である。
湯畑のほとりに建てた東屋の下に変形6角形の浅い湯舟を作り、周りに5〜6人が腰 掛けられるようになっている。足首と膝の間くらいの深さがあり、旅で疲れた足を湯 に浸けて休むことができる。脱衣の手間が省ける上、けっこう長く入っていられるの で、身体も温まると好評だ。温泉療法上は「部分浴」である。温泉大好きな日本人は、 足を浸けるだけで「あ〜ぁ、いい気持」と、しばし憩いのひとときを堪能できるから 不思議。ちょっとした小休止感覚で温泉を楽しめるとあって、この足湯、目下全国に 蔓延中だ。
「いまさら草津」でもう一つのニュースが「湯治の宿」グループが発足したこと。観 光化の一途だった大温泉地に、やっと本来の温泉の在り方に目をむける人々が戻って きた、というところ。マンションの部屋を開放しているところや、ペンション、一般 旅館など9軒がグループを組んでいる。湯畑、西の河原、万代鉱の三つの源泉を、湯 治目的別に使い分ける工夫や、温泉療法医への紹介など、長期となる病気療養には便 利なシステム。特にアトピー性皮膚炎には全快の症例が多く、自信を持っている。

所在地/群馬県吾妻郡草津町
交通/吾妻線長野原草津口駅から草津温泉行きバス30分の終点下車
電話/湯治の宿事務局0279-88-2490 
草津町観光協会0279-88-0800
http://www.town.kusatsu.gunma.jp/
料金/1泊3500円〜9000円(税別)


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