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名湯百選 名湯百選

下呂温泉 げろおんせん (1990年9月発刊名湯百選より)

リハビリ 神経痛高血圧 皮膚病病後術後回復疲労回復ほか

<所在地>岐阜県益田郡下呂町湯上島
<交通>JR高山線下呂駅か ら徒歩5分
<泉質>硫酸ナトリウム泉

温泉療法医がすすめる温泉 加藤正夫
(岐阜県下呂温泉病院長、県温泉医学健康所長 県立下呂看護専門学校長 /消化器 外科/医学博士)

飛騨路の湯どこ ろ明日に向かって確かな歩み。
岐阜・名古屋の奥座敷、名古 屋から電車で2時間、マイカ−なら小牧ICからこれまた2時間。もうこれだけ転地 気分十分でストレス解消という、絶好の地の利にあるのが飛騨路の名湯下呂温泉である。喧噪に明け暮れる都会とガラリ表情を変えた飛騨の山野。急流日本ラインの舟下 りなどで、日頃のうっ憤をふき飛ばし、   仕上げは、どっぷりのんびり湯に身をまかせての、どちらかと言えば歓楽型の温泉地だが、これからの高齢社会、21世紀に向け て、町全体を"健康づくりの里"にしよう、と情熱燃やす頼もしいお医者さんがいる。その人は県立下呂温泉病院長の加藤正夫先生。

長く険しい道のり
地元の人たちは 温泉を全国三名湯の1つとして自慢する。江戸時代、徳川家康から四代綱吉まで仕え た有名な儒学者が「わが国諸州に数多く温泉あるが、有馬、草津それに飛騨の湯之島(下呂)が、天下の三名泉なり・・・・・・」と紀行文を書いていることによるもの。現在 、年間投宿者数は140万から150万で、全国でも堂々ベストテンに入っている。泉質は、芒硝弱食塩泉(硫酸ナトリウム泉)で、湯温も40℃と、よそに比べてやや 低め、肌ざわりがマイルドで、ゆったりいつまでも入っていられるから、身体の芯から温まり、湯ざめしない。下呂温泉最大の特色という。この温熱作用から自然発生的 にリウマチ、神経痛、運動機能障害などの鎮痛回復療養に使う温泉リハビリが生まれた。加藤先生は6代目院長というが、リハビリそのものは2代目安田院長が昭和38年から始めている。  

本格的に温泉を取り込んだのは42年から。当時は医者仲間にもリハビリとは・・・・・・と説明してかからねばならない時代だったという。慢性関節リウ マチ患者の苦しみは、ちょっと言葉では言い表せない。少しでも痛みをとってあげよう・・・・・・と、片田舎でコツコツ積みかさねてきたことが、今ようやく認められ、雀の涙ほどだが国家予算がつくようになり 、スポットが当てられてきた。「思えば、あまりにも長い道のりだった。感無量です。これは1人の私だけの想いではないでしょう・・・・・・」と、先生は天井を見上げた。

 
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