NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
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浜坂・七釜温泉 はまさか・しちかまおんせん

七釜=リウマチ性疾患 痛風高血圧 動脈硬化症
浜坂=リウマチ 創傷湿疹 婦人病ほか

<所在地>兵庫県美方郡浜坂町七釜
<交通>JR山陰本線浜坂駅からバス10分徒歩5分で七釜温泉
<泉質>(七釜)石膏泉
       (浜坂)ナトリウム、カルシウム塩化物泉

温泉療法医がすすめる温泉 恒遠雄碩
(医療法人杏風会 浜坂七釜温泉病院院長/内科/医学博士)

“みんなげ湯のマチ”ユ−トピア浜坂
「よう来んなさった、どちらから」、「へぇ−それは、ありがとうさんで・・・・・・。」七釜の宿で聞いた笑い顔の言葉。ここには、よその人を迎える、ぬくもりの心があった。漁業と針の町、縫い針の生産は全国の90%以上を占めるという浜坂が、湯のマチに変身したのは日も浅く、最初の七釜温泉でもまだ30年に満たない。   灌がいと生活用水の井戸を掘ったら、湯脈に突き当たった、というのがそもそもの始まりとか。冬期間、通路確保のため融雪用の井戸を掘ったら、これまた温泉。豊富な湯量から全戸給湯目指した工事が、始まった。どの家も風呂は全部温泉という、"湯快(ゆかい)に湯遊(ゆうゆう)"その名もユ−トピア浜坂である。

温泉地の人はフロのプロになれ
病気と元気は、たった一字違いだが、その差は明暗、イヤそんな生やさしいものでない。場合によっては家庭崩壊につながりかねない。それなのに、ほとんどの人が、自分は大丈夫・・・・・・と思っているのだから始末が悪い。「人生四苦八苦という言葉がある。うち4つの苦しみは‘生’‘老’‘病’‘死’。人間として生まれた以上、年齢を重ね、いつかは病の床につく。病気になって初めて気付くのだが、この時ではもう遅いのです。」浜坂七釜温泉病院長の恒遠雄碩先生は、こう言って話を切り出した。成人病予防、病気の早期発見と早期治療、全国どの市町村でも広報活動で呼びかけていることだが、受診率はどこも極めて悪いと聞く。なぜ悪いのか。言うだけで、あと一歩踏み込めないからだ、と手厳しい。この点、浜坂は温泉出現で転機をつかんだ。温泉で健康な身体を作ろう・・・・・・と、ハダカのふれあいの場、高齢者生きがい施設、「ユ−トピア浜坂」。長期滞在も出来る「温泉保養荘」。国民宿舎「はまさか荘」などが次々にオ−プンした。よそからの利用客も、広く楽しい会話を期待して歓迎している。  

温泉は身体にいろいろ作用して療養、保養によい。だが、だからといって、ただ入ればいいというものではない。とくに利く・・・・・・というのは、その反対もあるということを知った上で初めて言えること。

○ややぬるめの湯にゆっくり、ゆったり入る。
○重い心臓病をもつ人は入浴禁止、軽度の人でも水を絞ったタオルを胸に当てて入る位、気を付ける。
○急性疾患、特に熱がある時の入浴はいけない。
○妊娠中、特に3ヵ月ころの初期と末期は控える。
○飲酒したら入浴しない。

など、温泉地の人は、いろいろ教わって、入り方を知り尽くしたプロになってほしい・・・・・・と。


転作で、人気のひょうたん細工
浜坂町は、行政上は兵庫県だが、町の半分が山陰海岸国立公園で裏日本の松島と呼んでいる。圧巻は名勝天然記念物の"但馬御火浦(たじまみほのうら)"、岩礁美や洞門は海からの眺めとなるのだが、シケの日は遊覧船欠航となるので、せっかく来てくれたお客さんに申し訳ないと、御火浦の岩を駅前に飾っている。鳥取との県境の峠に、近年まで見事な枝の一本松があった。漁港に船が入る灯台代わりの目印だったが、松喰い虫にやられて枯れてしまった。厳しい日本海の風雪に耐え抜いた樹齢350年の松。大きな、つい立てにして、町役場玄関内に"長寿の記念物"として飾っている。   夏が近付くと町の人たちはウズウズし始めるほど、お祭り好き、珍しいキリン獅子の舞が元気一杯のミコシと共に各地区から町に繰り出して来る。農家の水田減反政策で生まれた転作々物が、ひょうたん。ひょうたんは紐に吊るして下げておくので、ひっくり返ることがない。だから中風の魔除け・・・・・・。町の神社のご祈祷付き、という付加価値もつけている。ひょうたん細工で、面白いのがタヌキ。タヌキは、ものマネ上手で芸事の神とか。大阪芸人、京都のキレイどころ、また東京などから大量注文が相次いで地元の土産品でありながら、めったなことでは手に入らない人気モノである。
 
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