NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
名湯百選 名湯百選

北海道川湯温泉 かわゆおんせん

(浴用)神経痛 筋肉痛 関節痛 五十肩 運動マヒ 打ち身 くじき 慢性消化器病 慢性皮膚病 婦人病 糖尿病 病後回復 疲労回復 高血圧症など(飲用)貧血 慢性消化器病 糖尿病 痛風ほか

<所在地>北海道川上郡弟子屈町川湯
<交通>JR釧網本線川湯温泉駅から車5分
<泉質>酸性・含硫黄鉄ナトリウム・硫酸塩・塩化物泉

温泉療法医がすすめる温泉 藤屋秀一
(札幌市西区24軒藤屋医院/内科 呼吸器 糖尿病/日本リハビリテ−ション医学臨床医/医学博士)

森と湖に火山と温泉が調和した自然美。
「北海道まで来て、何も朝っぱらから疲れに行くことはない・・・・・・とみんなに言われたが参加してよかった。」「何もかも感動しちゃった・・・・・・早起きは三文の得というのはこのことですね。」川湯名物、朝の自然探勝散策会に参加したご婦人達の話である。甲府から無尽仲間で道東ツア−にやって来て、思いがけないこの散策会に出会ったという。温泉地の中央公園から噴煙上げる硫黄山まで2.5キロ、小鳥のさえずりを聞きながらゆっくり1時間の森林浴・・・・・・。本州では標高2,500m以上でなければ見られない高山性のハイマツが、ここでは150mの低地に自生している。それに白い可憐な花をつけたエゾイソつつじの大群落は、   川湯ならではの見事なものだった。散策会は温泉観光協会が12年前から自発的に始めた奉仕行事。雨の日でも1人でも参加者がいれば案内しているという。この日は約100人が集まり、2班に分かれて朝5時半スタ−トした。説明と案内役は町内の人達で全員ボランティア。中学生が交代で毎日10人余り手伝いに参加、遠来からの客に「お疲れさんでした」と一人一人にペコンと頭を下げ、日付入りの記念絵はがきとジュ−スを配っていた。北海道の人達は何て優しいのだろう・・・・・・と強い印象を与えていたが、ごく自然のままに“ありがとう”の言葉が通い合う健全な観光地の原点を見た思いだった。

数多い伝説を聞いてストレスは雲散霧消
川湯はアイヌ語でセセク〈熱い〉ベツ〈川〉で湯の川だが、函館に同名があるので川湯になった。温泉は散策会の硫黄山、地底から噴き上げる大自然のエネルギ−そのものが泉源で新鮮な湯量は抜群。酸ヶ湯〈青森〉、草津〈群馬〉に似た泉質で慢性皮膚病や糖尿病、神経痛などに効能がある。最低3日、出来れば1週間から10日位、見所も多いのであちこち回って休養したら心身共にリフレッシュすること間違いなし・・・・・・とは、推薦医、藤屋先生の話である。昭和9年第一次国立公園に指定された阿寒国立公園は東京23区の約1.3倍の広さで、うち66%が弟子屈町で占めている。その一角にある摩周湖は約7千年前の大爆発で生まれた。アイヌの人達は、神の住む湖と呼び、人を寄せ付けない魔力を秘めている。火山の中心部が深く陥没して水がたまったカルデラ湖だが、水の出口も入口もなく、   雨水だけではとうに干上がってしまうのに水位はいつも同じという不思議な湖である。透明度世界一として有名だが、湖の中に小さな島がぽっかり浮かんでいる。エクボのようと言われるがその中島は湖底から200mもそびえ立つれっきとした火山である。次のようなアイヌ伝説があった。昔、だまし討ちにあった酋長の母が大事な孫を抱いて逃げた。暗夜山野をさまよっているうち孫にはぐれてしまった。摩周湖に行って宿を頼み、快く泊めてもらった老婆は疲れてぐっすり眠ってそのまま島になった。アイヌの人達はこの島をカムイシュ〈神様のような老婆〉と呼ぶ。島に近寄ると孫が訪ねて来たのかと嬉し涙を流すので、晴れた日でも急に雨や雪が降り霧がかかるのだ・・・・・・と。

時間がほしい。退屈させない、でっかい見どころ。
一方の屈斜路湖は猪苗代湖〈福島〉に次ぐ火山湖で、独特の青い水の色が魅力。北海道らしい明るくおおらかなリゾ−ト地。シ−ズンともなればキャンプやボ−ト、それに温泉浴で賑わう。温泉浴は湖畔の砂湯を掘るだけで自前の露天風呂になる。また浅く掘って温かい砂をかければ砂むし風呂。あらかじめスコップと水着を持参した方がよい。ナゾの怪獣クッシ−の噂があり、ネス湖のネッシ−と兄弟だという物語も生まれた。冬は白鳥と神秘の御神渡りが見られる。すぐ近くにはテニスやトリムコ−トを併設した“楽しく汗を流して健康をつくる”クアハウス屈斜路がある。   名横綱大鵬が少年期を過ごしたのが、ここ弟子屈町。数々の大記録は多くの人に感動を与えた。その努力の業績を後世に残そうと川湯に大鵬像と記念館がある。また気候風土がヨ−ロッパとそっくりということから18・9世紀の生活用具を展示した民芸館、アイヌ民族資料館、仮雲工芸館。温泉も道東最古の摩周、湖畔の仁伏、桜のとう別、白鳥の池の湯、古丹(こたん)、和琴(わこと)など片手に余り、大パノラマ展望の美幌峠や野上峠、またこれらを空から眺める町営の遊覧飛行もある。さらに足を伸ばせば丹頂鶴の飛来地釧路湿原が待っている。
 
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