NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
名湯百選 名湯百選

ニセコ温泉郷 ニセコおんせんきょう

関節炎 筋肉リウマチ婦人病 アレルギ−疾患他温泉によって多種

<所在地>北海道蛇田郡ニセコ町
<交通>JR函館本線ニセコ駅下車
<泉質>含重曹食塩泉

温泉療法医がすすめる温泉 鈴木重男
(北海道大学医療技術短期大学部部長 内科/リウマチ リハビリテ−ション)

羊蹄山を望む大自然にすっぽり抱かれた温泉群
ニセコ、と聞いただけでスキ−と答えが返ってくるほど、スキ−ヤ−にとっては魅惑の地。東洋のサンモリッツと呼ばれるスキ−のメッカだが、「これだよ。これがホントの健康保養温泉地だ・・・・・・」と、注目を集めている湯の里でもある。アイヌ語で山をヌプリ、川をベツという。近寄り難いガケのある山という意味のニセコアンヌプリ(1308m)を真ん中に、昆布、湯本、昆布川、五色、新見など10指に余る温泉がとり囲んでいる。山の中なのに海の産物である昆布とは?   この疑問をたずねたら、小さな岩をアイヌ語でコンブといい、これがいつの間にか昆布に変わってしまったという。「みんなに親しんでもらえるなら、呼び名をどうこうゴチャゴチャ言う人はいません。」北海道らしい大らかな答えだった。ニセコもまた然り、有名になったから全国でも珍しいカタカナの町名に改称した。環境庁もこれらの温泉をいち早く保養温泉地に指定している。訪ねてみて、なるほど・・・・・・うなずける素晴らしい環境である。

標高差にバラエティ−な温泉あと1つほしい、クアオルト
2年目に入った"名湯百選"、ことし20ケ所を選定するそのトップにニセコを推薦したのは、北海道大学医療技術短期大学部部長の鈴木重男先生。まず推薦の弁を聞いた。標高800m以上の温泉地は、平地に比べて空気が少し薄くなって刺激が強く、いわゆる療養型だが、ニセコは250mから700mで、身体にちょっと刺激を与える程度の高原温泉。この標高差の中に食塩泉から硫黄泉、鉄泉など、規模は小さいが、それぞれ異なった泉質の温泉が国定公園のど真ん中、それも原始林に囲まれて点在している。人間がゾロゾロ歩き回っている林の中を散歩した、それは森林浴にならないと言われているが、この点ここには本物の森林浴コ−スがある。それも年齢相応の身体に合った山登り、沼めぐりのハイキングや遊歩道が・・・・・・。野鳥も多く、俗界を忘れさせる別天地と言ってもいいだろう。冬のスキ−は、あまりにも有名で国際スキ−場が7ケ所もあり、   下手クソから国際レ−スまで・・・・・・。子供はスキ−でなくソリを持ち込む家族連れで賑わうが、スキ−を外すところに温泉があり、そのまま"ジャポン"と出来るからたまらない。スキ−のほかゴルフ、テニス、ゲ−トボ−ル、サイクリング、キャンプ、釣りなど、どんな人でも受け入れる施設をもっている。あと1つ欲を言うなら、中核となるクアオルトがほしい。病気の原因は食物。その食生活と年齢にマッチしたスポ−ツ。どんな運動をどれだけやればよいか、などの相談、指導、方向づけをしてあげたらよりすばらしいものになる。かなり中央資本も入り、また進出がとり沙汰されているので、高原保養と健康増進地となる日も、そう遠くない。

湯けむり上げる神秘の大湯沼、ハッピ−な昆布夫婦岩
ニセコは道産自慢の羊蹄山が最も美しく見える町。ダケカンバの林を縫うパノラマラインは快適そのもの。絵で書いたよう、とはこのことだろうか。またニセコ湯本温泉は、そばにある大湯沼が源泉。かつては、間けつ泉で数mも熱湯を噴き上げていたというが、鉱山会社が大量の硫黄を汲み取ったため湯沼が崩れて、間けつ泉は消えた。しかし沼底の噴気ガスは120℃もあり、湯面に黄色い小さな球がいっぱい浮遊している。硫黄の粒だろう、と言われているが正体はまだ不明で、学術的に貴重な存在となっている。昆布鯉川温泉は温泉卵が名物、卵の黄身が固まり、白身がゼリ−状という半熟卵の逆状態のもの。   卵はコレステロ−ルの元凶と敬遠されがちだが、食塩泉の温泉成分で弱アルカリの良たんぱく質。東京のデパ−トでは秘湯ニセコの味として人気の品になっている。昆布公園に苔むした2つの岩が並んでいる。昔、ニセコの青年が隣村に住む美女ピリカメノコに恋をして結婚を申し込んだ。当時、種族の異なる結婚は厳しく禁止されていた。2人にはこの世で願いがかなえられないならば、とこの岩から川に身を投げようとしたが、悲劇の寸前にこれを知った酋重は前例のない掟を破って、この岩の前で結婚式をあげた。以来この岩はハッピ−な夫婦岩と名付けられた。
 
名湯百選


HomeColumnOn-LineFileSearchSite map




NPO法人健康と温泉フォーラムについてのご意見、ご感想をお寄せください。