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白骨温泉 しらほねおんせん

動脈硬化症 しもやけはくろう病 頸肩腕症候群慢性皮膚病 慢性関節リウマチ痛風
膀胱炎慢性消化器疾患 慢性胃炎便秘 糖尿病血行障害

<所在地>長野県南安曇郡安曇村
<交通>JR中央線松本駅から松本電鉄30分新島島下車バスで1時間
<泉質> 硫黄泉(硫化水素型)含二酸化炭素-カルシウム-炭酸水素塩泉
カルシウナトリウム-炭酸水素塩泉

温泉療法医がすすめる温泉 赤羽治郎
(信州大学名誉教授 内科/薬理学、アルコ−ル医学専門
 温泉による血圧、代謝などへの効果についても精通)

谷間に湧く白い露天風呂は胃腸に病に効く名湯。

白骨温泉の素晴らしさについて、近郊松本市在住の赤羽治郎名誉教授に話をうかがった。

中部山岳国立公園の南端、北アルプスと呼ばれる乗鞍岳の東麓に位置している。梓川の支流、湯川をのぞむ標高1,400mの山合いには、旅館も13軒と少なく、ひっそりとしたたたずまいの温泉風景が広がっている。温泉は本湯・綿湯・疝気(せんき)ノ湯があり、古来より「3日も入れば3年風邪ひかぬ」と称されるほどの名湯として知られる。

  中里介山の『大菩薩峠』の舞台ともなり、剣豪机竜之介がここで眼病を治療したことでも有名。浴後の散策に、天然記念物の噴湯丘や球状石灰岩、鬼が城の奇岩、ついどうしの鍾乳洞などの大自然の景観を楽しむことができるのも大きなメリットのひとつである。白骨を訪れる人たちは、主に温泉の効能に期待を寄せる湯治客。しかし話によると、ここの四季折々の自然の美しさを観賞したり、中には高原の山菜の味に魅せられてやってくる人も少なくない。特に白骨のそばは、天下一品の味として自慢すべきものとなっている。

かつては「白船」と呼ばれた温泉
「白骨」は、以前は「白船」と呼ばれていた。この村では、栃の大木をくり抜いて丸木舟のように掘ったものを水桶などに用いて、"フネ"と呼ぶ。湯槽の内側が石灰分の結晶で白くなるので「白船」と名付けられたという説がある。   また、倒れた木に温泉の白い結晶が付着して、「枯骨」のように見えたことから「白骨」と言われるようになったという説もあるが、そのあたりは定かではない。いずれにしても、昔は「白船」と呼ばれていたことに間違いはなく、『大菩薩峠』中で"白骨の巻"と使われたことで、現在の呼称「白骨温泉」が不動のものとなったのは確かである。今では、地元の人でも「白船」と呼ぶ者はほとんどいない。

高地高山気候が、なぜ体にいいのか

白骨温泉の標高は1,400m。気温・気圧が低く、空気は乾燥し、紫外線に富む。細菌や塵埃が極めて少ないので、風景も素晴らしい。こういった高地高山気候は、次のような好影響を人間の身体に与えてくれる。

1.気温が低い 山の高度が上昇するにつれ気温は下降する。低温であることは、皮膚表層の神経系に強い刺激を与え、身体全体がいつのまにか抵抗力をもつようになる。

2.気圧が低い 気圧が低い、つまり酸素の量が少ないと、骨髄などが刺激されて血色素や赤血球が増加する。多くの酸素を護得するために、呼吸もゆるやかなで深くなる。したがって、呼吸筋が活発に働き、肺活量などの呼吸機能が増強される。

 

3.日光・紫外線 山岳地は空気が清浄で日光も豊富なので、紫外線は平地に比べてはるかに多い。紫外線には殺菌作用や、体内にビタミンDを作る働きがある。

4.松林・滝 針葉樹や闊葉樹からは、原虫類から身を守るための芳香性テルペン系物質が発散され、空気をきれいにするフィトンチッド作用がもたらされる。

以上の条件を備えた白骨温泉は日本屈指の山岳温泉で、国民保養温泉地にも指定されている。


胃腸病、動脈硬化によく効く温泉
白骨温泉の泉質は、硫化水素泉や重炭酸土類泉など。前者は動脈硬化症に、後者は、胃腸病やアレルギ−性疾患によい。  

それぞれの旅館がもつ温泉は、特に露天風呂で色が白く濁り、温泉情緒もたっぷりである。

 
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