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温泉療法医相談室 相談事例一覧

相談事例42 - 乳幼児の温泉利用に関するご相談

東京都にお住まいの女性からのご相談です。 乳幼児の温泉の可否についてお尋ねします。温泉入浴が可能であれば何ヶ月また は何歳から可能なのでしょうか。入浴が勧められない場合は、何故控えた方が良 いのか、根拠をお教えください。

回答:乳幼児の温泉入浴は不可ではありません。 ただ乳幼児の温泉浴でとくに問題となるのは成人と同様、皮膚のトラブルがあります。温泉には種々の物質が溶けていて真湯と異なり体に刺激性に働くものが多く、そのため成人でも温泉による全身症状(睡眠異常、倦怠、微熱)としての 「湯あたり」、そのうち紅斑、皮膚炎といった皮膚症状としての「温泉皮膚炎」が起こりやすいことが広く知られています。皮膚がかぶれやすく、とくにアレルギー体質の赤ちゃんではその原因の半分は外からの刺激によるといわれておりますから、乳幼児の温泉入浴では一層この点の注意が必要でしょう。温泉皮膚炎を起こしやすいこととして@強い物理的刺激(擦る)A過度の入浴(一日複数回)が指摘されており、また泉質ではB硫化水素含有量の多い温泉 C硫黄成分の多い温泉 D強い酸性泉やアルカリ性泉、などが指摘されています。とくに@によるケースが多いので注意して下さい。なお特殊で稀な例ですが、免疫能の低下している乳児や高齢者に発症しやすいレジオネラ肺炎があります。「循環ろ過」といったシステムで給湯されている「浴水」「温泉水」の不適切な衛生管理のためにレジオネラ属菌が増殖し、それに汚染された浴水の誤嚥、吸入によってレジオネラ肺炎が発症するというわけです。最近話題になっていますので附言しておきます。


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