人 物 と お 風 呂
ヴィーナス |
泡の女神の名のとうり海の塩の泡から生まれたヴィーナスは西風の神セビュロスが迎えとってキプロス島に運び、そこで季節の女神ホーライ達が美しい衣を着せたと伝説にある。
古来よりヨーロッパ美術の好題材になり、なかでもボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」は有名でありこの絵はまるで真珠のように貝殻からヴィーナスが生まれたことになっている。
愛の女神としていろいろとお盛んのようであったがその誕生の情景からすればお風呂の女神に祀られてもおかしくはない。
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クリュタイムネストラー |
白鳥となったゼウスと交わって双子座の星を産んだレーダーとチュンダレオースとのあいだに産まれた女性。
10年もの長いトロイ戦争が終わり帰って来た夫であるギリシャの将軍アガメムノーンにお風呂にはいることをすすめ湯舟のなかで鼻歌を歌っているところを網を投げて捕らえてしまった。
その時、夫の留守中の相手であった従兄弟のアイギストスが現れ斧でアガメムノーンを殺してしまった。
これはお風呂場殺人事件の第一号といわれている。 |
ヘラクレス |
ギリシャ神話の怪力の英雄ヘラクレスはお風呂の神様としてギリシャをはじめアジアやアフリカなどで広く信仰された。
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クレオパトラ |
プトレマイオス王家の最後の女王。彼女は類いまれな美女といいわれ美容にもおおいに気を使ったという。
特にお風呂は馬乳をみたしたミルクバスを愛用し真珠をとかして葡萄酒にまぜて飲んだとも云われている。又、生きている小羊を殺し温かみの残っている生き血を浴槽にみたして入ったと云う。当時、小羊の血風呂に入ることは永遠の青春をとどめる秘法だと考えられた。
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楊 貴 妃 |
楊貴妃の美しさは「ひとたび笑えば百媚を生ずる」とさえ云われ生まれつきの美しさにさらに化粧の美しさをを加えたものだと云われている。素肌の美をつくるために毎日、温泉に入りました。
彼女を寵愛した玄宗皇帝は彼女の素肌を美しくみがくために温泉宮を建て華清池の滑らかな温泉水に浸らせた。
華清池からあがりやや上気して輝くばかりの素肌の上には天下一の美容師が化粧をほどこしたという。これは健康美と天性の美と化粧の美をほどよく調和させたからで美の極致でありこれこそ楊貴妃の美しさと云えよう。 |
大穴持命 |
オオアナモチノミコトが伊予の国を通りかかった時友だちの少彦名命が 病気にかかったので大分の湯(別府温泉)を引き入れてこの湯に入れ治
したという。
大穴持命は大国主命の別名で温泉の神として祀られる。 |
神功皇后 |
朝鮮戦争からの帰途、名護屋の津(唐津)から佐賀平野に入って温泉に ひたった皇后は「うれしいのう」と仰せられた。
そこでこの温泉のことを以後『嬉野』と呼ぶことになった。 |
額 田 王 |
古代の天皇の最も大切な宗教的行事はミソギであり額田王は水を司る妃 の役目をはたしていた。
このミソギこそが湯のおこりであり湯は斎(ゆ)からきていると云われ ミソギをおこなう場所が斎殿=湯殿である。 |
光明皇后 |
聖武天皇の皇后であり仏教への帰依篤く、国分寺、国分尼の創設に力を しめした。又、施薬院、悲田院等を建て貧民や病人の救済に取り組んだ。
悲田院に湯殿を建てことでも知られ伝説によるとある時、皇后自ら悲願 をたてられ湯殿におりて病人の身体を洗われたが悲願成就の千人目にラ
イ病の人が来た。皇后はひるみもせず唇を患部につけてライの血膿を吸 い出された。すると突然、ライ病やみの人が薬師如来となり皇后の善行
をほめられたと云う。 |
小原庄助 |
福島県会津若松の住と云われており「小原庄助さん、朝寝、朝酒、朝湯 が大好きでそれで身上つぶした」と世にうたわれている愛すべき代表的
な日本人像である。 |
出 歯 亀 |
明治時代、東京の植木職人である池田亀太郎はある日銭湯の女湯を覗きその女が帰るのをまちぶせし乱暴したうえ殺してしまいました。
池田のあだ名が出歯亀であったのでその後、覗きのことを出歯亀と云うようになった。
アメリカにはPeeping Tom(覗き見トム公)という言葉がある。 |
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