NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
駿河酔太郎よもやま話 バスルーム

森 林 浴
緑あふれる森のなかを歩いてみると、いろいろな匂いがしてくることに気付きます。
樹木、葉、草、苔、花、鳥、昆虫、動物、土、空気、霧等私達がふだん生活している環境とは異なった空間がそこにはあります。
森の樹木、植物は病虫害等の外敵から自らを守るためそれぞれ個性豊かな香りをもっています(フィットンチッド)これらの香りは人間にとっても、心地よい精神的にリラックスできる有用な意味のある香りとなります。
森のなかに入り自然を一杯体にとりこむこそが森林浴の醍醐味です。
近くの森から始めてみましょう。リフレッシュすること、間違いありません。
歩いた後に桧風呂の温泉があれば云うことなしです。
■フィットンチッド
植物から放出され殺菌、殺虫等の作用を有する物質のことを意味し、最近では昆虫や動物由来の物質も含め広い範囲での生物相互間に作用する化学物質を意味する。
■代表的な香り成分例
*松(アルファ-ピネン、カンフェン、ボルニルアセテート等)
*杉(ミルセン、サビネン、リモネン、アルファ-ピネン等)
*桧(ミルセン、リモネン、サビネン、ガンマ-テルピネン等)
*ニオイヒバ(ツョプセン、ミルセン、リモネン、フェンション等)
*ユーカリ(シネオール等)
*楠(カンファー等)
*アスナロ(ツョプセン等)
■効用
◆森のなかに入ると空気が美味しく感じ、リラックスできる人も多いと思う。
これは清浄な空気(光合成による炭酸ガスの吸収と酸素の放出)、樹木・植物の緑、鳥のさえずり、水のせせらぎ等に加えてテルペン系の香りが漂う森の環境による作用と考えられる。
森林浴は転地効果のひとつとも考えられ人間が本来有している自然治癒力をたかめ疲労感を取り去る作用がある。特に精神的疲労には好適である。
又、適度に緩和された気象条件の森のなかを歩くことが大切であり、ドイツ等では地形療法のひとつとして盛んに利用されている。
歩くことにより酸素摂取量が増大し、肺の呼吸率をたかめ、心臓の拍出量が増大する。心肺機能を働かせ健康保持に役立つことになる。
時間を気にしないで、ゆったりと森の精気を取り込みましょう。

◆家庭で使われる入浴剤にも従来から例えばパインニードル、テレピン油等の成分が配合されることも多く鎮静的効果、血管拡張効果等をたかめる作用がある。最近の研究ではテルペン系の香りが免疫機能を向上させ、疲労の回復を促進することが証明され、学会発表もされている。

◆フレグランスの分野では森・樹木・草・苔等の香りは一般にグリーンノート(ウッディノート・ハーバルノートも含む)といわれ香水やシャンプー等化粧品、トイレタリー商品にも広く応用されている。
通常は単独の香りとして使用される場合は少なくシュトラス系、フローラル系、スパイシー系の香り等とアレンジして使用される。
日常、使用されている化粧品等の香りを参考までにチェックしてみて下さい。

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