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小児ぜんそくと温泉療法 LA BOURBOULE SPA ラ・ブールブール(フランス) |
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■フランスの温泉 フランス保健省は温泉水の化学成分によってその温泉治療法を区分している。特定の温泉の効能や治療への応用は、温泉と医療の長年の臨床研究によって裏付けされ、各温泉別に治療指針が確立している。温泉治療が成功するかどうかは、水治療法と病理学とのバランスにかかっているが、特に子供専用の保養地では子供の感情や精神状態を細かく観察し、適切なアドバイスが最も重要な課題である。フランスでは小児科リゾートと呼ばれる保養地が数ヶ所あるが、医師、温泉管理者、教育機関、地元市長等からなるリゾート・パートナーと呼ばれるグループが地域の設備の改善や宿泊施設の向上、滞在中のアミューズメントプログラムの策定からスポーツイベントの主催まで様々な活動を実践している。 |
■ラ・ブールブール小児専門温泉 ラ・ブールブールはオーヴェルニュにある人口約2000人の小児専門の保養温泉地で、アッパー・ドルドーニュの渓谷、中央マッシフの中心に位置している。街は山脈によって北東の冷たい風から保護されている。街の標高は850m、山頂は1500〜1886mに達する。この地域は年間日照が長く、雪解け時や雨季には、玄武岩の下層土が水の沈滞と飽和を防ぎ、湿度が理想的な低さに保たれている。 ラ・ブールブールの温泉は深さ100mの火山口に湧出し、約1万5千年前の地下水と言われ、高温で高い等張性が特徴である。約60℃の温泉が二つの源泉から1分間に400リットル湧出している。主成分は砒素、重炭酸塩、珪酸塩でマンガン、アルミニウムなども微量に含まれている。これらの温泉は小児ぜんそくの治療に大きな効果をもたらしている。 |
■ラ・ブールブールの温泉治療 ラ・ブールブールでは、患者である子供達は、集団または個人の温泉治療プログラムにそって治療をうける。小児ぜんそくの主な治療法はエーロゾル治療といわれ、圧水し、霧化された温泉水を吸引する方法である。小滴の濃霧が満ちた吸引室で子供たちは座って20〜30分このエーロゾルを吸引する。一方、温泉入浴やシャワーで全身を温泉水に接触させ、神経系統のストレスバランスを低減させ、温泉水の持つ抗アレルギー作用をさらに効果的に利用し、ぜんそくと併発するアトピー性ぜんそくに効果を上げているのも特徴の一つである。 |
このような温泉治療法の選択、投与方法、治療のリズムと期間は専門医が、年齢、病気の特性、子供の呼吸状態、等の症状と経過にしたがって決定されるが、ラ・ブールブールのような小児専門温泉地の最大の特徴は環境や医療面での治癒サービスを提供するだけではなく、呼吸方法や鼻のかみ方、薬剤の吸収方法等のスクーリングを通して、子供たちに実生活における自分の健康管理術を学ばせところにある。 |
■問合せ先 Office Municipal du Tourism et de Thermalisme Place de la Republique-B.P.80 63150 La Bourboule Tel. 04-73-65-57-71 Fax.04-73-65-50-21 Thermes Choussy Place Guillaume Lacoste 63150 La Bourboule Tel.04-73-81-40-00 Fax.04-73-81-02-87 |
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