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旅行作家 竹村 節子氏がお薦めする
"癒しの温泉" シリーズ  第3回

竹村 節子 竹村 節子
温泉雑誌の編集者を経て旅行作家へ。現在は、(株)現代旅行研究所の専務取締役。旅行雑誌、婦人雑誌などへの執筆も多く、講演も行う。温泉に関する著書多数。全国の温泉地をつぶさに周り、各地とのネットワークも広い。


桜田温泉 山芳園 (静岡県)

現代はストレス社会といわれる。年令・性別を問わず、多かれ少なかれ我々はストレスにさらされて生きている。そのストレスをいくらかでも減少させるべく旅へ出たり温泉めぐりをしたりして自序努力を計るのである。ストレス解消の一つの方法として、最近イオン説が盛んだ。空気中のプラスイオンが増加することで、人体は酸化がはじまりイライラしてくる。逆にマイナスイオンが充満する環境や室内にいることで酸化が還元されるためストレスは減るのだそうだ。伊豆西海岸の松崎港から那賀川の清流にそって2・ほど遡った山麓に湧く桜田温泉。今この宿が炭をテーマにブレーク中だ。オーナーの吉田新司さんが趣味で焼く炭が話題なのだ。お客の持ち込む材料を何でも炭に焼いてしまう。いわゆるお華炭といわれる風流な飾り炭である。ミカンは葉付きのまま焼き上げるし、カボチャ、オクラ、実付きの南天、麻の織物、花器etc。「だめだったらごめんね」と何でもござれ。最近は竹炭に凝りはじめた。周辺の山に自生する孟宗竹を焼く。それも丁寧に2度焼きする。2度目は「外燃乾留式」という独自に開発した伝導熱で焼く方法。24日間もかけて1000度という高温で焼き締める。こうして焼き締めた竹炭は堅く、割っても縦には割れず欠けるほど。実はこの方法で焼いた竹炭のカップで飲む酒やビールが抜群に美味しいのだ。市販のウーロン茶など注いだとたんに渋みが消えて味がまろやかに変わるのだから不思議。遊離イオンと1グラム300平方mにも及ぶという多孔質の炭の性質が不純物を取り除く結果である。

山芳園 室内温泉


山芳園 露天風呂

館内のそちこちにも炭が置かれてマイナスイオンを盛んに発散しているほか、食事のテーブルにも竹炭カップが出される。むろん炭焼き体験への参加も予約さえすれば歓迎だ。露天風呂には中央の崖から湯滝が落ちていてここもマイナスイオン横溢である。
マイナスイオンで健康管理という旅テクも、これからの健康管理の旅には、新しい発想かも知れない。

所在地/静岡県賀茂郡松崎町桜田569-1
交通/伊豆急行伊豆下田駅から松崎・堂ケ島行きバス45分の桜田下車
電話/0558-42-2561
料金/1泊2食2万1000円〜

山芳園

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