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旅行作家 竹村 節子氏がお薦めする
"癒しの温泉" シリーズ  第15回

竹村 節子 竹村 節子
温泉雑誌の編集者を経て旅行作家へ。現在は、(株)現代旅行研究所の専務取締役。旅行雑誌、婦人雑誌などへの執筆も多く、講演も行う。温泉に関する著書多数。全国の温泉地をつぶさに周り、各地とのネットワークも広い。



島の露天風呂で迎える初日の出
末吉温泉みはらしの湯


 ミレニアム2年目が明けた。今年はどんな年になるのだろう。期待半分、不安半分。しかし、好いことの多い年であって欲しいと、誰でもが願っている。そこで今年最初の旅は太平洋から昇る初日の出を湯船から拝む、八丈島の絶景温泉をお勧めしたい。

八丈富士と八丈小島を望む 八丈八景の1つ

 八丈島は東京から一番近い常春のリゾートアイランドである。一周約60km。東京の環状線(山手線)くらいの大きさながら、新旧二つの火山が繋がって生まれた島。そのため二つの自然が楽しめる珍しい島だ。北側の八丈富士は新しい火山で礫状の土地のせいか、海の風が吹き抜ける乾燥した気候がハワイそっくり。ヤシがよく茂り、並木の下に植えられたハイビスカスが通年赤い花を咲かせて迎えてくれる。南に聳える三原山はシイやタブ、シダが密林を作る古い火山。水が豊富で滝や池も見られ、気候としては伊豆半島によく似たたたずまいだ。

末吉温泉 みはらしの湯露天

 温泉はこの三原山南側に集中して湧出している。いずれも町が開発した温泉で、中でも末吉地区の高台にある「みはらしの湯」は南端の小岩戸ヶ鼻の半島を右手に、左手には八丈島灯台を振り分けにして、太平洋とまともに対峙する絶景の入浴施設。ミルクコーヒー色のナトリウム-塩化物強食塩泉が湧き、ぬるめだがよく温まる魅力的な温泉だ。休憩室を挟んで左右に二つの浴場があり日によって男女交替で入浴させている。どちらも内湯の外側に露天風呂が作られているが、左側の露天からは太平洋に上る初日の出が湯船の中から拝める。今年は12月31日からクローズなしで元旦の21時30分まで開放するそうだから、文字通りの初日の出を拝めることだろう。右側の風呂は八丈島の形を石で囲った味のある湯船。島人が「八丈島のダイアモンドヘッド」と自慢する小岩戸ヶ鼻の半島を正面にする。こちらは夕日が正面に落ちる。天候によっては夕茜に全身染まっての初湯が堪能できるはずだ。
  漁港ではデカイ魚が揚がる

 みはらしの湯からだらだらと1?ほど下った洞輪沢の漁港にも地元の人が使う素朴な温泉がある。ブロック積みの浴舎に木造りの湯船。透明で程よい温度の良質な温泉が溢れているが、時おり隣接する汐間海岸で波乗りを楽しむサーファーが身体を温めに入るくらい。この汐間海岸の磯にも温泉が湧いていて、引き潮になると入浴できるということだった。断崖から直接磯へ滝の落ちる秘境の海岸である。
 八丈島は季節の食材をバナナの葉に乗せて出すご赦免料理や島寿司、島焼酎など味覚の楽しみも多いところ。1月からアロエの花が、3月に入るとフリージアも咲く花の島でもある。

八丈島の旬の味


所在地/東京都八丈島八丈町末吉581-1
交通/東京・羽田空港からエアーニッポン(電話03-5435-0707)のジェット機B737利用で45分、1日4便。
八丈島空港から車で15分。または竹芝桟橋から東海汽船(電話03-5472-9999)で夜出発、翌朝到着、1日1往復。
島内移動は路線バスがあるが便利なのはレンタカー(主に軽自動車)
施設/末吉温泉道ヶ沢温泉みはらしの湯
電話04996-8-1933 10時30分〜21時30分
現在無休(通常は火曜日休館)12月31日は終日、元旦の21時30分まで営業。
大人500円、子供200円
宿/ホテル旅館15軒、民宿63軒、ペンション18軒
味の店/ご赦免料理 いそざきえん(要予約)
電話04996-7-0041。
島料理 梁山泊 電話同2-0631
総合問合せ/八丈島観光協会
電話04996-2-1377
 
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