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竹村 節子 |
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夕日の宿で堪能する鴨すき&ひとり風呂 長浜太閤温泉(滋賀県) 琵琶湖東岸の城下町・長浜市を訪ねた。長浜は太閤秀吉がはじめて城持ちとなって町づくりをしたところ。町を栄えさせるために町民の年貢を免除し、諸役を免じたことが産業の基礎づくりにつながって、繁華な城下町が形成されたと伝えられる。デフレスパイラルで消費税の引き上げが現実味を帯びて語られる現代とは正反対。「今太閤」の出現を真実、期待したい。 土蔵造りの商家が家並を作る北国街道を中心に、タイムスリップした街歩きが楽しめる長浜だが、早くも春の気配も濃厚で、駅南側の慶雲館では3月10日まで盆梅展が開かれていた。樹齢400年というみごとな古木も元気で鮮やかな花を見せていて驚いたが、50種、300鉢に及ぶ梅の大型盆栽すべてが市の財産で、手入れも市でやっているというのには驚かされた。なんとも優雅な町ではないか。 |
琵琶湖畔の豊公園を中心に湧くのが長浜太閤温泉。現在、国民宿舎豊公荘と長浜ロイヤルホテル、浜湖月の三軒が自家源泉を持って営業している。宿泊したのは浜湖月。湖と湖周道路一本隔てただけの、客室13室という小さな日本旅館。「夕日の宿」を標榜しており、客室に居ながら夕日を楽しめるコーナーが設けられている。主人が「夕日と語らいの宿ネットワーク」というグループの会長で、夕日コンセルジュでも置いている。関西地区を中心に17軒の宿が加盟しており、目下、参加者を募集中という。確かに野も山も湖も、あかね一色に染まるひとときは、「この美しい地球という星に生たことの幸せ」を思わずにはいられない。ましてやそれが風呂の中からとくれば、風呂好きならずとも言葉もない。湖畔の宿の露天風呂は男女とも4基ずつのひとり風呂。しかも小判形の信楽焼、とくらぁ驚きの上に感謝!感激!湖に向かって並んだ舟形の湯舟の縁に頭と足首を預けて濃い鉄泉に身体を沈めると目の高さに琵琶湖の夕景だ。滔々と溢れる鉄色の温泉はやわらかく、刻々と変わる空を飽かず眺めている放心のひと時は、文字通り至福の時間。客室のうち6室にも信楽焼の露天風呂がついていて、チョット贅沢に泊まりたい宿である。 シーズン料理は鴨すき。琵琶湖周辺で捕獲する青首鴨を使ったすき焼き仕立てで、琵琶湖の水草を主食にする鴨は臭みもなく非常においしいものだった。 なお、今年は2月9・10・23・24日、の4日間、米原駅と木ノ本駅間を1日3便SLの特別運行もある。 所在地/滋賀県長浜市公園町4-25 交通/北陸本線長浜駅下車 宿/浜湖月 0749-62-1111 1泊2食2万円〜、但し鴨すきは2000円増し http://www.hamakogetsu.co.jp 総合問合せ/長浜市商工観光課 0749-62-4111 http://www.nagahamashi.org/ |
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