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旅行作家 竹村 節子氏がお薦めする
"癒しの温泉" シリーズ  第18回

竹村 節子 竹村 節子
温泉雑誌の編集者を経て旅行作家へ。現在は、(株)現代旅行研究所の専務取締役。旅行雑誌、婦人雑誌などへの執筆も多く、講演も行う。温泉に関する著書多数。全国の温泉地をつぶさに周り、各地とのネットワークも広い。



砂湯、指の湯も楽しめる
雲仙温泉(長崎県)



 先月、「手の湯」を発見して喜んでいたら、
「群馬県草津温泉にも手の湯ができてたよ」
と知人から便りがあった。
 2002年3月は長崎県のハウステンボス開園10周年に当たるというので出かけた。春の訪れが早い今年は名物チューリップも見事に咲いていて広い園内いたるところでカラフルな花の色が絨緞のように広がっている。オランダで生産する球根を、芽の出たところで温度管理して眠らせ、輸入して咲かせるのだそうだ。園内を走るクラシックカーや運河を連絡するボートの屋根にも花、花、花。風車が回りゴッホの代表作で有名な跳ね橋もある春いっぱいのアミューズメントパークは、日本に居ることを忘れさせてくれる1日だった。




 翌日、雲仙へ登る。普賢岳の噴火にも影響を受けず、西日本一歴史のある国際的なリゾートとして発展してきた温泉地。大旅館が多い中で、小型の宿も残り夏休み期間は長崎・福岡間に直通バスも運行されるそうだ。特に連泊プランが好評で、今年も宿を4グループに分け2泊目から2000円ずつ安くなるグループ3つと、1000円ずつ安くなるグループ1つが設定される予定だという。



 名物のミヤマキリシマ(ウンゼンツツジ)の見頃は例年5月中旬で仁田峠や池ノ原一帯が中心。下旬になると原生沼でカキツバタが咲きはじめる。今年は季節が半月くらい早いようだから出掛ける前に現地へ問合せするとよいだろう。事実山は枯れ色なのに、宮崎旅館の生け垣では早くも赤紫色のツツジを見かけたほどだ。雲仙公園ビジターセンターに寄ればそうした植物や動物たちの資料が整っている。地獄めぐりの遊歩道沿道にもシロドウダンやミヤマキリシマを見ることができるということだった。
 



 温泉街の入口に昨年10月にオープンした雲仙スパハウスに寄ってみる。ビードロ美術館とガラス体験工房を併設する新しい施設で、樹齢2000年の屋久杉風呂、檜風呂、露天風呂のほか砂風呂とカイロプラテックコーナーをもっているのが特徴。砂湯は中国産の川砂を敷き込んで、一人入浴するごとに砂を消毒し、60度に熱した温泉をたっぷり張って砂を熱して湯を抜いて、45度前後に温めなおして次の客を入れるという清潔な砂湯だ。浴衣も洋風のガウン風。15分位砂に埋まるが高血圧の人や心臓の弱い人は砂の掛け方を薄くして温度調整もしてくれる。汗が出だしたころ、氷水で絞ったタオルを額に乗せてくれるのも気持ちが良い。入浴後はカイロプラテックや韓国式垢すりを受ける人もいる。カイロプラテクは日本整体師協会会員の平野弘光氏がお弟子さんと二人で施療してくれる。「一日20分は歩いた方がいいですよ」など、日常生活のアドバイスもしてくれてありがたい。




 雲仙地ビールでのどを潤し、町を抜けて地獄めぐりをする。足湯が2ヵ所ともう一つ磐城旅館の前に「指の湯」が作られていたのにはびくりした。邸内に湧く濃い硫黄泉をかけひ風に流して指先を温泉へ浸けるようにしてあるもので、泉質の良さを見るだけで納得させられるほど黄色い湯の花が沈殿していた。足湯に手の湯、指の湯の次は一体何の湯が出現するのか楽しみである。


所在地/長崎県小浜町雲仙

交通/長崎本線長崎駅前県営バスセンターから雲仙行きバス1時間35分。長崎空港より諌早小浜経由で1時間45分。ハウステンボス駅からはJRでで50分諌早駅、小浜経由バスで1時間15分

施設/ハウステンボス 0956-27-0001 http://www.huistenbosch.co.jp
4月21日までチューリップ祭り開催中
スパハウス花みずき 0957-73-3131
入浴料大人800円、砂風呂1000円。
入浴とのセット券1500円。
カイロプラテック20分2000円〜

総合案内/雲仙観光協会 0957-73-3434 http://www.unzen.org/
 
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