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旅行作家 竹村 節子氏がお薦めする
"癒しの温泉" シリーズ  第34回

竹村 節子 竹村 節子
温泉雑誌の編集者を経て旅行作家へ。現在は、(株)現代旅行研究所の専務取締役。旅行雑誌、婦人雑誌などへの執筆も多く、講演も行う。温泉に関する著書多数。全国の温泉地をつぶさに周り、各地とのネットワークも広い。



女性がゆっくりできるスペース
神通峡春日温泉(富山県)





 富山市の南に広がる広大な田園地帯。その中を蛇行する神通川の畔に湧くのが春日温泉。ナトリウム-塩化物泉、44.6度の温泉は、周辺の公営の施設とともにリバーリトリート雅楽倶にも引かれている。かつて公営宿舎だった建物を譲り受けた石崎産業が、総工費10億円をかけ2000年5月にリニューアルオープンした「癒し」をテーマとする新しいタイプの温泉ホテルである。






 はじめは社員用の保養所にでもしようと買い取ったというが、内外を改装してゆくうちに「自分が行ったらこうして欲しい」と思うホテルを造ってみたくなった、と石崎由則オーナー。
 コンセプトとしては「ゆっくりくつろげる、隠れ家的な宿」。本来が親の仕事を継がなければインテリアデザイナーになりたいと考えていたというオーナーだけにセンスのよさはピカ一。建築会社の引いてきた設計図より、オーナーのセンスを生かして改装したところにこの宿の面白さ、個性が生まれた。





 吹き抜き天井のロビーには、オーナーのコレクションでもある海外ブランドの椅子、ソファーを配置。17室の客室も2階は洋室、3階は和室に分け、同じ部屋が二つとない。
特に洋室は籐家具で統一したラグの間、天蓋付きベットが入れられたギリシャの間、英国家具を入れたイギリスの間など、エキゾチックなインテリアによって演出されている。
 





「わが家に居るほうが、くつろげる、と思わせたくなかった」
 というオーナーの工夫が館内所々の生かされている。時計とテレビは収納し、蛍光灯は使わない。美術館も併設され、常時展覧会が開かれている。ウエルカムドリンクは抹茶と生ビールというのも気が利いている。







 浴場は広い前庭の向こうが神通川第3ダム湖。露天風呂には夕方からトーチに火がともされ独特の雰囲気だ。
 食事も京都「おくむら」の流れを汲むシェフがフレンチの域をこえた「西洋膳処」のイメージで創作料理のフルコースを出す。朝食のテーブルに湯豆腐が堂々と登場する自由さとフレンチの美しさのミックスと調和が、富山のご婦人達に好評で、いつも日中から賑わっている。








所在地/富山県上新川郡大沢野町春日56-2
交通/北陸本線富山駅から春日温泉行きバス50分の終点下車。または富山空港からタクシー25分 高山本線笹津駅からは送迎あり
車/北陸自動車道富山ICから国道41号利用で約11km
宿/リバーリトリート雅楽倶076-476-5550
1泊2食2万2000円から




 
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