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温泉と医療 江戸時代、江戸で出版された温泉番付
江戸時代、江戸で出版された温泉番付
  1. 温泉の作用

    温泉は、(1)物理的(機械的)、(2)温熱的、(3)化学的の3者が一体となって身体に作用します。以下、これらの作用を簡単に説明します。

    1. 物理的(機械的)作用
      入浴すると身体に水圧が加わり、浮力により身体が軽くなり、浴中運動が極めて容易になる作用をいいます。

    2. 温熱作用
      微温浴(おおむね38度)は生体に鎮静、鎮痛的にはたらき、神経系、循環器系などの興奮を抑える作用があります。
      これに対し、高温浴(42度以上)は興奮的にはたらき、神経系、循環器系を刺激します。
      温泉療養に際して、これらの浴温の使い分けは極めて大切です。

    3. 化学的作用
      炭酸水素塩泉(重曹泉)の飲用が胃腸病に聞き、硫黄泉は血管を拡張させるので循環器病によいといった温泉に含まれている化学成分の作用をいいます。

  1. 温泉の適応症

    温泉の効用は、その温度、化学的成分、温泉情緒環境、利用者の生活状態の変化などの総合作用に対する生体反応によるもので、温泉の成分のみによって各温泉の効用を確定することは困難ですが、療養泉の適応症はおおむね次のとおりとされています。

    1. 療養泉の一般的適応症
      [浴用] 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復

    2. 療養泉の泉質別適応症
      1. 塩化物泉
        [浴用] きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病
        [飲用] 慢性消化器病、慢性便秘
      2. 炭酸水素塩泉
        [浴用] きりきず、やけど、慢性皮膚病
        [飲用] 慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病
      3. 硫黄塩泉(鉄-硫黄塩泉、アルミニウム-硫黄塩泉を除く)
        [浴用] 動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病
        [飲用] 慢性胆嚢炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風
      4. 二酸化炭素泉
        [浴用] 高血圧症、動脈硬化症、きりきず、やけど
        [飲用] 慢性消化器病、慢性便秘
      5. 含鉄泉、含銅-鉄泉
        [浴用] 月経障害
        [飲用] 貧血
      6. 硫黄泉
        [浴用] 慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病
        (硫化水素型:硫黄が硫化水素の型で主として含有されているもの)
        高血圧症、動脈硬化症、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病
        [飲用] 糖尿病、痛風 、便秘
      7. 酸性泉、含アルミニウム泉
        [浴用] 慢性皮膚病
        [飲用] 慢性消化器病
      8. 放射能泉
        [浴用] 痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆嚢炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病
        [飲用] 痛風、慢性消化器病、慢性胆嚢炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節
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