NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
名湯百選 名湯百選

古湯・熊の川温泉 ふるゆ・くまのかわおんせん

神経痛 筋肉痛 関節痛 五十肩 運動マヒ 関節のこわばり 打ち身 くじき 慢性消化器病
冷え症 病後回復 疲労回復 健康増進など

<所在地>佐賀県富士町古湯
<交通>佐賀駅バスセンタ−から昭和バス40分で熊の川、同バス10分古湯
<泉質>(古湯)アルカリ性単純泉
       (熊の川)弱アルカリ単純弱放射能泉

温泉療法医がすすめる温泉 安倉俊秀
(富士町古湯・温泉安倉クリニック副院長 福岡県小聖和記念病院院長/内科 震動障害)

 

緑豊かな心やすらぐ葉隠れの奥座敷
疲れたらゆっくりお風呂に入りたい・・・・・・。これは誰でもそう思う。賑やかなところより静かなところがいいことは勿論である。ストレスという言葉は聞き慣れて誰でも知っているが、どうしたらストレスを取り除くことが出来るか、知っているようで実のところ知ってはいない。皮膚病もストレスからきているものが多く、   どんな病気もストレスがからんでいると言っても過言ではない。ストレスの手っとり早い解消法は環境を変えること。たとえ一晩でも「温泉に行こうか」というのは気分転換をはかる、いわゆる転地療法で効果がある。古湯は温泉地でありながら地元の人は温泉のありがたみ、温泉とはどんなものか、これまた知らないし知ろうとしないのは残念だ。古湯には都会では得られない静けさがある。山に囲まれた目に優しい緑は、神経を休め心身共にリフレッシュしてくれる。

温泉療法の“駆け込み寺”
語ってくれたのは安倉先生で、「このままの古湯ではいけない、何とかしなければ・・・・・・」やるせない気持ちもぶちまけて、さらに話は熱っぽく続いた。昔から皮膚病やキズに効く温泉と言い伝えられ、マムシに咬まれたら古湯に行けば治る・・・・・・と、はれ上がった足を引きずりながらの入湯風景がよく見られた。マムシには血清の特効薬があるのでが当時は血清よりも温泉に対する信頼が強かった。温泉の正しい活用と入浴法を来湯客に教えてあげることも温泉地の役目と考え、診療所に温泉を引いて会合などに利用してもらったが、   利用者の半数以上が町外の人で、話に聞いたと長崎などから大勢やって来た。温泉は末梢の循環器障害、交通事故のムチウチ、後遺症や知覚、関節、運動障害、自律神経障害また激しい痛みを伴うリウマチでこれ以上薬の投与は薬害あるだけと思われた患者が温浴療法で医者の自分もびっくりするような治療効果が現われ、温泉療法にすがる"駆け込み寺"的存在になっている。林業の盛んな土地柄から神経痛や筋肉痛など力仕事の疲れを癒すには絶好の場である。

活性化の“人作り”が課題
古湯とすぐ近くの清流沿いに、こじんまりと湯治場の雰囲気を残す、熊の川温泉がある。素朴な人情と環境の良さから多くの文人墨客が"佐賀の奥座敷"へと来遊している。日中友好に力を尽した郭沫若氏は故郷四川省の奥地に似ていると気に入って親子5人で住み、小説"行路難"などの作品を発表した。温泉地を流れる嘉瀬川の"雄渕雌渕"渓流は、今でこそ奇岩絶景の地だが、明治の晩年までは山から伐り出した木材の筏流しの最大の難所だった。深い渕があり川底の洞窟は今だ誰も入ったことがなく、さまざまな伝説を生んでいる。
町を一望する城山公園は戦国時代の山城跡で石垣、
  物見台、切通しなど往時の遺構がある。このほか九州では珍しい樹齢1000年と推定される桂の巨木があり、根回20mの基幹部から25本もの「ひこばえ」が群生していて国の天然記念物。ダム建設で出来た北山湖畔は、いい汗流そう・・・・・・の健康づくりの里。釣人にはヘラブナの宝庫として知られている。ことほど観光資源は、あちこちに点在していてコト欠かないが、「食っていければいい」という、お人好的なものの考え方は"みんなでやって行こう"という意欲につながらず、人作りの大事さが気になるところである。
 
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