NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
名湯百選 名湯百選

五所川原温泉 ごしょがわらおんせん

腰痛 神経痛術後回復 打身婦人病疾患 皮膚病

<所在地>青森県五所川原市
<交通>JR五熊線五所川原駅から10〜20分
<泉質>ナトリウム塩化物泉

温泉療法医がすすめる温泉 佐藤浩平
(医療法人白生会胃腸病院会長/温泉医学会員/外科/医学博士)

うまく言えませんが心暖かく思いやりのあるマチなんです
青森県の温泉と言えば、浅虫、大鰐などの名前が上がりそうだったが、今回は五所川原温泉が選ばれた。選ばれるには、それだけの理由があった。市役所を訪ねたら「私のところは、とり立てて、これというものが何もない。温泉と言ったって・・・・・・」間違いじゃないか、   とは言わなかったが、キョトンとしていたことは事実。こっちが正直いって面食らった。名湯とは歴史や看板ではない。これからの長寿社会に向けて真剣に取り組んでいる人たちの姿が、「これぞ名湯・・・・・・」と認められたものである。

温泉は、地震、火山爆発と親子関係。浴用効果のデ−タにびっくり

突然の病気は日曜も祭日もない。このため正月も年中無休でどんな患者も絶対に断らないという病院が五所川原市にある。「地域の人たちに、何が起きても"安心"と言われる・・・・・・のが病院の理念です」とズバリ言い切る白生会胃腸病院がそれ。そこの佐藤浩平会長が、「温泉は女房の次くらい・・・・・・」という大の温泉好き。毎年開かれる各学会で温泉効用についての調査研究発表が注目されている。「全く驚きです。温泉がこんなに効くものか・・・・・・」と、学会で発表するため集めたというデ−タを見せてくれた。

        例  有効  有効率
温泉宿舎 440  379  86.1%
O病院   121  105   86.7%
リハ病院  186  100  53.7%
A温泉   167  149  89.2%

設備が良いリハビリ病院で%が低いのは脳出血や梗塞患者が多く、リハビリ中心で186人中168人は週1〜2回の入浴、O病院A温泉は全例毎日の入浴だった。また疾患別の有効率を見ると

腰痛、神経関節痛  88.7% 
消化器疾患      77.1%
婦人科疾患      94.8%
手術及び外傷後   91.6%
皮膚疾患        87.5%
 

という好結果が出た。整骨院のかたわら県内初のクアハウスを併設した一ツ谷温泉は、床タイル1つにも細かい気配りがされていて感心した。「怪我した人を一日も早く仕事に復帰できるようにするのが私らのつとめですから・・・・・・」という理念が、そっくり設備に現われている。
温泉療法の結果も

むち打ち症候群  87% 治癒
五十肩        82%  〃
変形関節症     92%  〃
骨折         83%  〃
打撲         89%  〃
ねんざ        93%  〃

と、これまた驚くべき数字となっていた。恐怖と大災害を起こす地震や火山爆発、その親子関係にあるのが温泉。温泉は災害と全く逆に大きな安らぎと療養効果をもたらしてくれている。その効果は科学万能と言われる現代でも、我々の考えでは到底及ばない大自然の力そのもの。正に"天与"のものなれば活用しない手はない・・・・・・と、佐藤会長は、たぶん今日もランドクル−ザ−で走り回っている。


なにもない?なんて。こんなにある盛沢山・・・・・・の話
岩木山の裾野に広がるリンゴ畑を見ながら、日本海の感動を肌で感じるJR五能線に眺望列車が登場した。1日2往復だけだが、その名も"ノスタルジック・ビュ−トレイン"只今人気上昇中である。人気と言えば青森・弘前ねぶたと並んで五所川原は"津軽絵凧"のマチ。手漉きの和紙に一枚一枚の手書き。長く厳しい北国の冬をふき飛ばそうといううなり凧である。病虫害や悪病退散で豊作と健康を願う"虫送り"は藩政時代からの伝統行事。町をねり歩いた龍の頭をした虫は、お祭り後各村落の入口などに飾られる。近年は若者たちが、これに火祭りを加えて虫を天に送る"虫絵巻"を繰り広げ、津軽のじょっぱりぶりを見せている。
津軽は、またリンゴのふる里。リンゴの原産地はアメリカで、日本の土に根を張ったのは、今から112年前、その最初の樹が3本だけ、
  今なお"現役"で育っている。リンゴの木の寿命がせいぜい80年と言われ、112才の長寿リンゴは、アメリカにも無いのでギネスブックに申請するという。話は一変するが、かつての太平洋戦争で全国寺院の、ほとんどの鐘が徴用されたが、市内の長円寺にある梵鐘は美術的価値ある逸品として徴用を免れた因縁もの。京都で雌雄2つの鐘を鋳造し、船で運搬途中、十三湖で暴風に会って転覆、2つの鐘は湖に沈んだ。幸い1つは引き上げられたが、もう1つの雌鐘は行方不明で十三湖の主となった。雄鐘をつくと、十三恋し、十三恋しと響き、湖底の鐘もこれに応えるように長円寺恋しと時折泣く声が湖面を渡る・・・・・・。素朴な人たちの五所川原の民情伝説である。
 
名湯百選


HomeColumnOn-LineFileSearchSite map




NPO法人健康と温泉フォーラムについてのご意見、ご感想をお寄せください。