温泉療法医がすすめる温泉|日本の名湯百選

川湯温泉かわゆおんせん

和歌山県東本宮町皆瀬川字川湯

適応症
  • 慢性消化器病
  • リウマチ性疾患
  • 痔疾
  • 痛風
交通
紀伊本線新宮駅よりバスで1時間

河原を掘れば、自分だけの温泉になる。自然の情緒豊かな露天風呂

川湯は、その名の通り川辺の温泉。清流、大塔川(熊野川の支流)には若アユが躍り、夏はホタルが飛び交い、カジカの合唱と蝉しぐれ、そして秋は紅葉に彩られて、自然がいっぱいというより、自然の真っ只中にひっそり軒を並べている、といった感じの温泉町である。スコップ片手に河原に降りて自分で好きなところを掘れば、それがそのまま自分だけの楽しい風呂になる、という野趣に富んだ露天風呂がいくつも出来ている。昼は川遊び気分ではしゃぎ、夜は河原の石を枕に、せせらぎを聞きながら月を眺める……。その情緒は、疲れも何も一気にふっとぶ最高の贅沢であろう。清流に投網を飛ばして獲った鮎、高菜で包んだ名物、目張り寿司の素朴な味も楽しい。

川に流れがある限り手掘りの露天風呂は永遠

泉質は、お隣り湯の峰とは少し違ったアルカリ泉で73度。神経痛や糖尿病、切傷、やけど、婦人病などに効能ありというが、目の前に広がる自然と子供心に引き戻すユニークな湯浴みは、喧騒に明け暮れる都会人のストレス解消の気分転換にうってつけである。毎年2月には、川を半分せき止める形で千人は楽に入れるという“仙人風呂”を作って人気を集めている。地下のマグマで熱湯となった水が、川いっぱいに広がっている火成岩の割れ目から、温泉となって吹き出し、その分、川の水が地下に浸み込んで循環している。川の水がすっかり枯れない限り楽しみ多い、この川湯の手掘り風呂は姿を消すことはないと、地質学者はポンとタイコ判。

ヘルスアップの新名所となった渡瀬温泉

歴史を刻んだ湯の峰と川湯温泉の真ん中にあるのが、ここ渡瀬温泉。湯治から一歩踏み込んだ、健康づくりを考えようと新しい開発の手を加えた温泉地である。豊富に湧き出る重曹泉(72℃)をフルに利用して、 ・一般健康コース ・ストレス解消コース ・美容・肥満解消コース

と3つのプログラムを組んだ“クアハウス”(ドイツ語で、多目的温泉保養館)が中心になっている。専任のヘルスケアトレーナーがいて指導相談に応じ、さまざまなスタイルの入浴を楽しんでもらおうというもの。四村川のほとり、自然がそのまま残る景観の広い高台には温泉プール、トリムの広場、テニスコート、バンガロー、キャンプ場なども作られ、家族連れで楽しみながらトータルな体力づくりのできる新名所としてデビューした。ひっそりとした熊野本宮温泉郷の新しい顔である。