温泉療法医がすすめる温泉|日本の名湯百選

三丘温泉みつおおんせん

山口県熊毛郡熊毛町三丘温泉

泉質
含弱放射能硫黄泉
適応症
  • 関節痛
  • 神経痛
  • 筋肉痛
  • 慢性消化器病
  • 痛風
  • 動脈硬化症
  • 高血圧症
  • 慢性胆のう炎
  • 胆石症
  • 慢性皮膚病
  • 慢性婦人病
  • 切り傷
  • 糖尿病
交通
JR山陽本線島田駅からバス15分
那須野 友規子氏の写真

執筆: 温泉療法医

那須野 友規子

山口市・国立湯田温泉病院医局長 山口市擁護老人ホーム嘱託医 /内科 内科リハビリテーション/東洋医学認定医

やさしい気配りにツルの恩返し

山合いの、のどかな田園風景が続く三丘(みつお)温泉の町は、鍋鶴の飛来地として知られている。遠くシベリアから鶴がやって来たのは明治の初めで、その頃は全国各地に飛んで来たらしい。しかし、ほとんど捕まえられて姿を消し、難を免れた鶴がこの地を安住の地としたようだ。今では本州でただ1ヵ所の飛来地である。

鶴は用心深く殊に物音に敏感で、脅されたりすると、すぐねぐらを変えてしまう。そういう鶴がやって来るのは、町の人達みんなが鶴と共存を図ろうという、心の優しい人達ばかりだからではないだろうか。傷ついた鶴が元気になって飛び立ち温泉の在りかを教えてくれた。三丘温泉の発見は鶴の恩返しである。

自分勝手な判断が落とし穴

三丘温泉を推薦してくれたのは、国立湯田温泉病院の那須野先生である。先生の話を聞こう。「運ばれて来る患者の半数以上が脳卒中です。発作を起こす前、必ず何らかの前兆症状があったはずなんです。それを年のせいだの、大したことない、と自分勝手な甘い考えの判断が落とし穴です。ことに糖尿病の合併症が多い。糖尿病というと、美味しいものばかり食べる、贅沢病などと言われたものですが、病気を引っぱり出しては、贅沢も命とりになり兼ねない。人間誰でも年をとれば、いつかは病気になる。しかし、あとちょっと気をつけてくれたらまだまだ楽しい人生が続く。

糖尿病の血糖検査は注射で採血するが、尿の検査なら痛くもかゆくもない。でも、お手洗いに夜中に何回も行ったり、出方がちょろちょろだったり、残尿感があったり……は、病気の前ぶれですから早目早目の診察を受け、相談することが一番賢明な生き方です。温泉リハビリの治療効果は大きく、病院では二連式のオリジナル座浴槽を設備した。みんなお風呂好きだから喜ばれている。しかし温泉は病気予防の一つの方法として利用した方がもっとよい。三丘温泉には、そうした体力作りの施設がいろいろあり、心休まる静かな環境も素晴らしい。」

ホタルの里に、ふれ合い浴場

三丘温泉は環境庁の国民保養温泉と健康増進地の指定を受けている。山陽自動車道・熊毛ICの開通で山口から70km、広島から75km、中国道利用で下関からでも120kmの距離となり、徳山、光、下松市のベッドタウンとして、開発が約束されたようなもの。時間にして30分足らずの近距離に8つのゴルフ場がある。温泉はしっとり落ち着いた純和風の宿や、ゆっくりくつろぎの保養向き湯治宿などがあり、中核のバーデンハウスには、公認のグランドゴルフ場が併設されていて、ちびっ子やおじいさんも仲間入りした家族ゴルフが楽しめる。ゴルフや散歩の後は、さまざまな健康入浴のプログラムが組まれたバーデゾーンで、いい汗流そう……である。また園内の憩いの小公園には高さ3mの総白ヒスイ、価格ウン千万円という幼児を抱いた観音像が微笑みかけている。町では、小さな自然も大事にしたお蔭で夏、ホタルが乱舞する小川のほとりに約3,000坪の用地を買収して、町の人達とよそから来てくれる人達が和やかにふれ合い語り合う、ニュー湯治場づくりを計画している。