NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
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尾張かにえ温泉 おわりかにえおんせん

リウマチ疾患運動機能障害 神経マヒ神経痛 病後及び疲労回復など

<所在地>愛知県海部郡蟹江町蟹江新田
<交通>名古屋駅から近鉄電車、準急10分さらに車で7分
<泉質>単純温泉

温泉療法医がすすめる温泉 勅使河原順三
(医療法人社団順正会理事長 日本リハビリ医学会認定医 全日本病院協会常任理事/内科/医学博士)

限りない可能性の素質(芽)を持つところ
天守閣に光り輝く金の鯱(しゃち)・・・・・・と言えば、尾張名古屋のシンボル。この名古屋にぴったり寄り添い300万名古屋圏の健康リゾ−ト地として毎年着実に人口を増やし続けている、うらやましい町がある。蟹江町がそれで、町の1/3が川と沼の水郷。しっとり落ち着いた美しい風景を絶賛した吉川英治が"東海の潮来"と名付けたところである。   水郷に生い繁るヨシの中に冬になると魚が異常なほど集まって成長していた。「もしや・・・・・・」のカンが見事当たって湯脈を掘り当てた。蟹江尾張温泉の誕生である。温泉発見に"これぞ天与の恵み"とばかり、いち早く温泉リハビリ蟹江病院が出来た。「みんなの健康と幸福を願うのが医者本来の使命です」、同病院理事長の勅使河原先生が熱っぽく語ってくれた。

"福田"の温泉研究所を・・・・・・
医者と仏教は妙な組み合わせだが、仏教は人の道を教えてくれている。梵網経(ぼんもうきょう)の中に"福田(ふくでん)"という言葉があり、私はこれを病院の理念としている。福田は幸福の種をまくのに相ふさわしい田園という意味で、病院のあるべき道を説いた教えと心得ている。ご存知のように日本の人口構成は世界に例のないスピ−ドで高齢化が進んでいる。お年寄り患者の早期社会復帰は当面の緊急課題だが、さらにこの高齢化社会を支える青壮年者の健康管理面はまだまだで、なおざりにされている。リハビリは不幸にして病気になった患者を速やかに社会復帰させることだが、このための理学療法士、作業療法士らは看護婦同様、大変な手不足状態である。リハビリというのは・リフレッシュ〈疲れた心身を〉・ハピネス〈育まれた環境の中で〉・ビュ−ティ〈自由におおらかな気分で〉・リバティ〈さわやかに、元気を回復させる〉ことと解釈。  

このため病院に健康増進の温泉研究所を併設することに全力投球している。研究所が出来ないうちに、まかり間違って"お迎え"など来ようものなら「只今忙しいので留守デス」と、居留守を使うことにした(笑)。
尾張温泉を300万、名古屋圏の人たちの健康を守る砦にしようと、町当局も熱心で、健康を第一に掲げた"町民憲章"を制定している。

・いのちと暮らしを守り健康増進の町をつくる。
・助け合い励まし合って希望にみちた生きがいのある町に。
・美しい自然を愛し環境浄化に努めて住みよい町をつくる

・・・というもの。


金魚のふる里、とお稲荷さん
名古屋という大都会の蔭にかくれているが、建保3年(1215年)の古文書に「カニエ」の地名が出ていることからしても町の歴史は古く、当時は海に囲まれて多くの蟹が生息していたのでその名が付いたという。戦国時代は伊勢湾の海上交通路を見張る要衝の地。江戸時代に入っては、河口の港に百石船が横着けして諸国からの物資の集散地、今でいう海上流通機構の要所として栄えた。また奈良郡山と並ぶ弥富金魚の生産地で100年以上の歴史をもつ。周辺に300人を越す生産者が互いに励まし合って品種改良に余念がない。らんちゅう、東錦、また頭に赤い斑点を持つ日本人好みの丹頂など生まれた。   可愛い金魚、上手な飼い方はロ過した水を使うこと。水が悪ければ、換気の悪い部屋と同じでどんなに丈夫な金魚でも育たない。水道は必ず汲み置きし一日掛かりでカナケやカルキ、塩素を抜いたものを使うのがコツという。金魚に次いで近年は温室の花栽培が盛んで京阪神の市場に出荷されている。話は温泉に戻るが、かつて失明の病と恐れられた"底ひ"が温泉で洗って治ったという人が次々に現われ、喜びの患者さんたちがお礼にお稲荷さんを建立した。赤い鳥居がいっぱい寄進されて、いつしかL字型の参道となった。お稲荷さんの浄水は勿論温泉で、今も"目洗いの湯"と呼ばれポリ容器に汲んで持ち帰る人があとを絶たない。
 
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