南紀白浜で病院経営と地域医療の諸問題に取り組んでいる、玉置先生は、龍神温泉について「はるばるこの山奥に来て、よほどの知恵が生まれたのでしょう。葵の紋所のご威光で、永久に地祖免除の恩典が与えられた所ですよ・・・・・・」と次のような話をしてくれた。和歌山には勝浦、白浜、湯の峰・川湯など名の知れた多くの温泉地がありますが、龍神は一味違った別格のところです。多くは交通の便を生かしたレジャ−観光の宿泊拠点となっていますが、龍神はタダである水、キレイな空気、あたりをとりまく自然環境がズバ抜けている。紀州の屋根、護摩壇山(ごまだんさん)の山麓から湧き出るナチュラル・ウォ−タ−は是非味わってほしい天下の名水です。泉質は無色透明の重曹泉で肌がツルツルと滑らかになり、昔から日本三大美人の湯と言われていますが、それも龍神ならではの水と空気が、うまくブレンドして環境がプラスされているから尚更でしょう。余暇の増大で従来の観光旅行の形態は変化しつつあります。高齢化社会に対する温泉の医学的利用も課題の一つで、今後の在り方が問われています。 |
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少し前ですが地区医師会で温泉医療についてアンケ−トをとりました。これまでは表立った反応はなかったのですが、今回は関心度が非常に高くなっている。温泉地と一般地の老人ホ−ムの調査でも結果が出ている。
(温泉地)(一般地)
○体調よい 2/3 1/3
○投薬必要量 1/3 80%
○入浴回数 毎日 たまに
温泉地のホ−ムのお年寄りは、温泉の効用大ありとして余生を元気に楽しく過ごしていることがはっきりしていた。温泉地は従来の"遊び場"へと転換が迫られている。このためのリゾ−ト構想、また温泉療法と指導員の育成、さらに保険適用の制度推進の声が強く出ています。
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