NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
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作並温泉 さくなみおんせん

胃腸病、神経筋肉痛、婦人病疾患、病後回復、胃腸病神経筋肉痛婦人病疾患病後回復など

<所在地>宮城県仙台市青葉区作並
<交通>JR仙山線作並駅からバス10分 仙台から直通バス40分 山形から車で45分
<泉質>正苦味泉

温泉療法医がすすめる温泉 萱場倫夫
(財団法人周行会 仙台タワ−ビル内科クリニック所長 県温泉審議会委員/内科 温泉療法)

湯治場の面影残す渓流沿いのいで湯
仙台市が10番目の政令都市になった。この指定を機に近隣町村が編入合併して、宮城町だった作並は仙台市青葉区になった。市都市部から30km余り、奥羽山脈の緑の山にぴったり寄りそい、清流広瀬川上流の渓谷沿いに湯煙りをあげている。昔から湯治保養地だったが、観光主導の時代となって、泊る宿から楽しむホテルに様変わりし、目を見張るものがあった。   が、仙台の生んだ詩人土井晩翠が、この地を訪ねて詠んだ、作並の河原の湯こそ嬉しけれ太古の岩に囲まれて湧く元湯の岩風呂は、昔のまま生きていた。宿は近代建築に衣替えしていたが、長い階段廊下も、"賓至如帰(ひんいたるかえるがごとし)"で久しぶりにわが家に帰ったようなやすらぎが・・・・・・。宿の気配りも湯治場の素朴さが残っていた。

推めたい健康目的の温泉行を
何もかも便利になって、せっかち人間が多くなってしまった。「ほとんどの温泉地に言えることだが、一晩パッと騒いでウサ晴らし、というのもそれはそれなりにストレス解消の効果はあるが、これからは変る・・・・・・」と。
仙台タワ−ビル内科クリニック所長、萱場倫夫先生は話を切り出した。長寿社会でお年寄りがふえ、気の毒な車イス生活の人が目につくようになり、健康が一番大事・・・・・・ということに気がつき始めた。銀行も、お役所までも土日連休という余暇時代、それに年休をプラスして1泊2日でなく、せめて3、4日家族みんなで温泉に、という時代が必ずやってくる。温泉は健康のためにあるもので、遊びの付属場にしてはいけない。宿の方は1日でも長い滞在を歓迎しているのだから、まず料金システムをどうするかソロバンはじいて考えたらいい。
  1泊2、3万円クラスのホテル、旅館は必要で、またそれなりの生き方がある。この点、作並はその両面を持っている。交通の便に恵まれながら豊かな自然が残っていて、春夏秋冬、ガラリ表情を変える絶好の保養地である。泉質は、正苦味泉。飲んで胃腸によいのだが、飲泉の条件が厳しくなって作並は許可されていない。設備を改善するなど方法を考えてほしい、と思う。飲泉も頓服と違って2〜3週間以上飲んで効果があるもの。「1日行って腹1杯飲んで来た、というのは、かえって逆効果になるから要注意ですよ・・・・・・」と。

願いごと、かなう定義如来
「定義如来(じょうぎ)、ちょっと離れているが仲々いいところです・・・・・・」と言われて訪れてみた。正式の名は、極楽山西方寺。多くの信仰を集める、阿弥陀如来がご本尊で、一生一度の願いごとは必ずかなえてくれると言われる東北の霊場である。夕方遅くなって門は閉まっていたが、心よくお参りさせてくれた。4年前、落慶した室町時代様式の五重の塔は県内で初のものとか。彫刻美の山門と仁王像は見事だった。その山門わきに定義如来の教えが書かれていた。「恩を知って、恩に報ゆ」と。   "ありがとう"の心でなかろうか。顔立ちがやさしく、ちょっと頭でっかち、胴体の絵模様に特色をもつ作並こけしは、東北地方に数多くあるこけしの中でも一派をなしている。旧国鉄今のJRが蒸気機関車SLからディ−ゼルそして電車。電車も直流電気から交流に変えて馬力アップした。その交流電化は、作並を走る仙山線が発祥の地で、作並駅に記念碑が建っている。「ペットちゃんですか、どうぞお連れ下さい」、冷暖房完備のペットホテルも、ここ作並温泉にはある。
 
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