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名湯百選 名湯百選

川内温泉 せんだいおんせん

神経痛 リウマチ腰痛 筋肉痛婦人病 病後疲労回復

<所在地>鹿児島県川内市湯田町
<交通>JR鹿児島本線川内駅から13キロ、同西方駅から5キロ 南国バス便あり
<泉質>単純硫黄泉

温泉療法医がすすめる温泉 對馬(つしま)宗徳
(對馬医院院長/内科 小児科/医学博士)指宿市で開業、地域医療に尽力している

のどかで、大らかさはタイムカプセル。西郷隆盛ゆかりの秘湯
思いがけずにウマイものの店を見つけると、誰にも言わずそっとしておきたい・・・・・・。こんな気分は誰もがお持ちだろう。「とうとう見つかりましたか。全国に2,300とも2,500とも言われる数多い温泉の中から、   川内を選び出すとは、さすが大したものですね・・・・・・。」山合いに、ひっそりたたずむ川内温泉を、名湯と認めるドクタ−は、砂むし温泉で名高い指宿市で開業している對馬宗徳先生である。

素朴さ、そっくり残る心なごむ湯治情緒
指宿は海岸、川内は山の温泉比較的近い距離で、この環境の変化、これがいいんです。山の人は海に、海側の住む人は山の温泉に行け、というのは転地効果も倍加して、現代病といわれる軽いストレスなら短期間で心身共にリフレッシュ、すっきり気分になる。たかだか100mばかりの町に軒を並べ、一軒のホテルの他は飾らず、おごらずの湯治旅館。通りがかりの人、誰彼の区別なく「こんにちは」の挨拶は素朴で、温泉の湯よりも温か味が感じられ、ちょっとよそではお目にかかれない。湯治の宿代も、すぐ近くの店から米を買って持って行けば、タダで炊いてくれ、今どきこんなところがあるのか・・・・・・と、思わせる。正にタイムカプセル的値段の秘湯そのものである。温泉地の表土層が、清流NO.1の四万十川と酷似していて地質学上でも興味が持たれている。その地から湧き出る温泉は肌ざわりまろやかで、ほれぼれするばかり。   腰痛にことのほか利くと言われているが、成分からして、ニキビや顔などの吹き出ものに源湯をつけても効果がある。人によってはラムネ泉と呼んでいるが、単純硫黄泉。客は天草諸島の人たちが多く自分たちの温泉という親しみをこめてか、島が川内の西側にあることから、西方温泉と呼んでいて、その地名も残っている。鹿児島といえば、西郷隆盛だが、兎狩りが大好きで、西郷さんと犬は、ここでの狩りがとり持つ縁だった。裏山を駆け巡っては、どっぷり湯を楽しんだ熱烈なファンの一人で、西郷さんは湯に入る前、必ず大きなタライに湯を汲みとって入った。身体が大きく湯が溢れ出すので、あとで入る人のことを考え、湯上がり後また元に戻していたという。維新後、盟友板垣退助らと主張した征韓論に破れ、いっときこの地にかくれ住んで次策の想をねった、など隆盛にまつわる話は数多く残っている。

若さ爆発の綱引き天下公認のケンカ祭
三方を囲む山には竹林が多く湯治客が暇つぶしに作り方を教わった、竹細工は地場産業の一つ。今はプラスチック製品に押されて、主役の座から降ろされた格好だが、竹ならではの味わいはまた格別で特産品。味噌こしや米ザルなど生活用品の竹細工が土産物として売られている。それも特別のもののほか、値段は、客の方でつけるという、ほほ笑ましい、のどかさである。村おこし、町おこしのふる里祭りは近年各地で大はやりだが、これぞ日本一と自他共に認めるイベントが川内市内にある。島津藩主が士気昂揚のために始めたという380余年の伝統行事の大綱引きがそれ。綱は綱でも直径35cm、長さ365m重さ5tの綱引きで、それも、ただの引っ張り合いではない。  

双方参加人員に制限なしで約3千人の屈強な若者が、自分の方に引っ張るため相手方の引き手を、引き抜いて、押し合いへし合い、しまいに倒れ合うという壮烈なもの。タイコを合図に一番二番三番隊が次々に繰り出して怒号歓声が上がり、救急車も待機している、天下公認のケンカ祭りである。

 
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