温泉はアルカリ性単純泉で身体になじみやすい泉質が、と語ってくれたのは中伊豆温泉病院名誉院長の齋藤幾久次郎先生。腰痛や慢性関節リウマチ、神経痛、胃腸に効くという人の話から湯治という風習がうまれた。が実際はいまも昔も、その温泉をとりまく環境が大きく左右し、近年とくに気候風土の環境が見直されてきた。温泉地は休養向き、それに保養、療養向きの3つに分けられる。
私のところは病院だから療養が主体だがそれでもリハビリの浴室は富士山が一望という場所に作っている。病気予防の保養、日頃のわずらわしさなどからのがれるストレス解消の短期休養には、距離的にも便利な修善寺が最適ではなかろうか。いろいろ歴史的なもの、また多くの文人墨客が訪ねてきていて、その史跡は数知れず見るべきものが有り余る。 |
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「修善寺に行かれましたか。」御詣り前の浄めの場はどこの神社寺院にもあるが、修善寺は龍口から水ではなく温泉の湯が水槽に流れている。温泉法が改正され飲用のマル適制度ができて、修善寺の湯は伊豆で第1号の飲用温泉となっている。ヤカンやポリ容器に入れて持ち帰り、お茶代わりに飲んでいる人がいるということだが、温泉は野菜と同じで源泉に近い新鮮なものほどよい。さぼっている胃をダイレクトに刺激して胃酸を出させ、空腹になると胃がチクチク痛む胃酸過多症にも効果がある。また冷やして飲めば慢性の便秘によい。 |