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蘇鶴温泉

関節痛 神経痛 筋肉痛 五十肩 関節のこわばり 打ち身 くじき 慢性皮膚病 慢性婦人病疾患 糖尿病 病後回復
疲労回復 健康増進など

<所在地>高知県吾川郡伊野町蘇鶴温泉
<交通>JR土讃線伊野駅から車で10分。高知駅から車30分
<泉質>弱硫酸鉱泉

温泉療法医がすすめる温泉 松本定善
(愛媛県一本松町国保一本松病院院長 内科/東洋医学)

土佐和紙発祥の地に、千古の湯
四万十川と並び称される、日本の清流仁淀川のほとりに名湯ありと言われていた。高知県では数少ない温泉の一つ、伊野町の蘇鶴(そかく)温泉である。今を去る1100年の昔、弘法大師の徳を慕って巡礼の旅に出たときの天皇の皇子が、山麓の泉に矢傷を負った一羽の鶴を見た。鶴は毎日飛んで来たが、数日たってどこかに飛び去って行った。親王は大師の教えの薬泉に違いない・・・・・・と、その名を“蘇鶴”と名付けた。   薬湯湧く伊野町は、土佐和紙発祥の地で、延喜式の記録から、これまた古い歴史をもっている。紙の町として知られ栄華を極めた豪壮な建物の紙問屋が、町のそこかしこに面影を残している。昔懐かしいチンチン電車が走っている。明治40年の開通というから現存するものでは日本の最古参株。全盛期は6,000軒近い手漉き業者がいて、そこで作った紙を高知港から船積みするのに、荷馬車では間に合わず敷設されたものという。

私のところも温泉地。狙いは、健康の遊・悠・湯
高知県には有名病院が数多くあるが、どうしたことか温泉療法医の資格をもった先生はまだ一人もいない。蘇鶴温泉を推薦したのは、お隣愛媛県一本松町の町立国保病院の松本院長である。「私のこの町も実は小さな温泉町で、宇和島から1時間足らずのところにある。“町営のあけぼの荘”は“遊・悠・湯”のレクリエ−ション基地で、プ−ル、テニスコ−ト、多目的グランドのほか室内に各種健康器具と理学療法機を備えた健康管理室がある。多くの人達に利用して頂くため宿泊料金も民宿並みの低料金でびっくりされる。これからの温泉は、こうありたいと思うモデル施設と自慢したい。病院のお風呂もタンク車で温泉を運び、リハビリなどに使っている。この頃は、あちこち痛みを訴える患者、ことに腰痛が多い。腰は身体のすべてを支える大事な個所。薬害や副作用もあるので、東洋医学の温浴療法と合わせてハリ治療を行ないその効果は、ちょっとした評判になっている。」さて、蘇鶴温泉だが「土佐にかくれた千年の湯」と言われ、かつては町を走る人力車は全部温泉に向いていたという語り草がある。仁淀川を見下す景勝地に“かんぽ保養センタ−”があり、蘇鶴から引湯している。簡保センタ−は、今全国各地に作られ四国だけでも8ヵ所あるが、   伊野センタ−は全国で有馬温泉に次いで2番目に作られたところ、保険加入者の保養と健康増進のため、ということだろうが、さすが郵政省の情報収集と先見の明には感心させられる。町当局も、活性化とより発展のため、温泉保養センタ−とドッキングさせた大規模な逓信病院の建設誘致を考えてみたらよい。それくらい、魅力の地である。歴史に伝統技法が加わって、昔各藩の藩札や、また衣類や陣笠、果ては紙の洋服地も作られ、近年は人気のちぎり絵など「これが紙ですが・・・・・・」と目を疑う製品、作品、それに神技と言いたいほどの製作用具類が展示されている。幕末の狩野派絵師、金蔵が画いた絵金の芝居絵は150年たった今も強烈な色彩を放っていて参観者の足を釘付けにする。特殊な技法でニセ物は作れない中央主官庁の御用紙は、伊野町の産物。全国で跡継ぎ難の手漉和紙の後継者を育成する研修所にもなっている。土佐と言えば、「こ海の向こうにはアメリカ、カリフォルニアじゃ・・・・・・」と、でっかい夢をふくらませた風雲児、坂本竜馬の桂浜や、坊さんかんざしの“はりまや橋”がお薦めの代表的名所。「紙は軽くて自由で、遊びは楽しい・・・・・・」という紙の博物館は、はりまや橋から車で30分の所にある。
 
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