NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
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繋・鴬宿温泉 つなぎ・おうしゅくおんせん

神経痛関節痛 筋肉痛うちみ くじき慢性消化器病 冷え症病後回復 健康増進など

<所在地>(繋)岩手県盛岡市繋温泉(鴬宿)雫石町鴬宿温泉
<交通>
(繋)JR盛岡駅からバス30分
(鴬宿)JR田沢湖温泉雫石駅からバス25分、盛岡駅から同50分
<泉質>アルカリ性単純硫黄泉

温泉療法医がすすめる温泉 足澤輝夫
(紫波町日詰がん成人病診療センタ−足澤放射線科院長
 日体協認定スポ−ツドクタ−/放射線/医学博士)

"よくおでっんすた"みちのく情緒あふれる
擬宝珠(ぎぼし)の橋にあるマチ盛岡は、みちのくの小京都と言われ、しっとり落ち着いた風格をもつ県都である。盛岡のシンボル"石割桜"は樹齢約330年の老木だが、春には見事な花をつけて元気一杯、幹の周り約4m、この40年間で1m余り太くなり巨大な石をさらに5cmも大きく割って拡げているという。人生80年時代・・・・・・ワシに比べたらまだまだヤングの部類"けっぱれ〈がんばれ〉"と無言のハッパをかけているようだ。   繋(つなぎ)温泉は、かつてはひなびた湯治場だったが近年多目的ダムの大きな御所湖が出来て湖畔に近代建築の旅館、ホテルが建ち並び、昔の繋を知る人は一瞬浦島太郎さながらの目を見張る。「よくおでっんすた・・・・・・」人情味豊かな響きをもった出迎えの声に、安堵(あんど)した。

期待される、御所湖の健康公園
盛岡の奥座敷と言えば、つい近年まで繋温泉の隣りの鴬宿温泉だったのですが、湖が出来て立場が一変した。しかし二つの温泉は、それぞれに個性があっていいです・・・・・・。推薦医の足澤(たるざわ)先生はこう話を切り出した。御所湖は健康志向の広域公園としていろいろな施設が計画されている。完成したら素晴らしいものになりそうです。温泉と言うと、酒飲んで羽根伸ばすところとなっていたが、これも時代の流れで変るでしょう。若者もいつかは年をとる、運動とかスポ−ツは衰えかけた筋肉を鍛えるためのもの。その第一要件は、寒い冬場に足を冷やさない、常に血行をよくして諸々の疲れは早くとること。このために温泉があるのだと私は思っている。   親父(足澤三之介氏。岩手医大名誉教授で温泉学の権威)に言われて1枚の写真を診察待合室のロビ−に掲げています。血管に詰まったコレステロ−ルが、何日間かの湯治で、きれいに消えた、という写真です。食生活の変化などで動脈硬化の元凶と言われるコレステロ−ルは一般語で知られていますが、脂肪分の多い食物ばかりではないのです。ストレス過剰や不眠、タバコなども原因の一つです。食事療法で病状の進行は遅らせることは出来ますが、ストップはかかりません。十分な睡眠と適度の運動が一番効果的で、温泉浴も運動の一つということを知ってほしいですね。

素朴な人柄現わす南部曲り家
繋の歴史は約900年前、源義家が盛岡を一望する山麓に陣を構えた折発見した。傷ついた馬を湯で洗ったところ不思議に疲れがとれる卓効に驚いた。愛馬を穴のあいた石に繋いだことからその名がついたという。また隣の鴬宿温泉は、鴬の鳴き声に聞きほれた木こりが、その姿を一目見ようと谷を下ったところ、足を傷めた鴬が湯浴みをしていて温泉を見つけたという。藩政時代すでに浴場が作られ藩主の休息所になっていた。年間70万人近い客が入り込んでいる。この地方は共に南部駒の馬産地だった。農家の人たちは馬も家族の一員として厳しい冬の寒さから愛馬を守るため、   住宅と馬屋を棟続きにしたL字型の住宅を建てた。これが南部曲り家で、今は数えるだけになった。南部鉄器、南部煎餅など地場産業の振興策の"手作り村"が温泉入口に誕生、修学旅行生らがチャグチャグ馬っこの郷土人形作りなどに挑戦して賑わっている。100年の歴史を刻む小岩井農場もすぐそば、日本鉄道の小野、三菱の岩崎、鉄道庁長官井上3氏の頭文字から名付けた、民間ではわが国最大の牧場。明治の末、英国からサラブレッド種を輸入して、日本初の三冠馬セントライトをはじめ、競馬史上に残る名馬を産み出した。
 
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