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由布院温泉 ゆふいんおんせん

神経炎 疲労回復婦人リウマチ性疾患 科系疾患胃酸過多症

<所在地>大分県大分郡湯布院町
<交通>久大本線湯布院駅から徒歩15分 別府市からは亀の井バス、大分交通バスで1時間
<泉質>単純温泉

温泉療法医がすすめる温泉 辻秀夫
(九州大学名誉教授 大分健康管理協会理事
 外科/温泉刺激による生体防衛機能増強に関する研究)

町をそっくり温泉パークにリフレッシュするOLでいっぱい
由布院は緑がひときわ美しく山ふところに抱かれた「いで湯の里」という言葉がピッタリ似合う。一度訪ねた人なら誰もがきっとこう言うだろう。「いつまでもこのままそっとしておきたい温泉地」と。町を歩くと由布院と湯布院の二つの看板に出会う。
湯布院はとなりの湯平村(ゆのひらむら)と町村合併したとき、両町村の「和」を深めるためということで、湯平村の湯を上につけての新町名。
  「心を合わせてきれいな町を作ります。」という町民憲章も生まれた。「ゆふいん」には由布院・湯平・塚原の三つの温泉地がある。湯平は胃腸の湯、塚原は皮膚病によく効く温泉として知られてきた。由布院は奥別府、また九州の南軽井沢と呼ばれ、自然と人間がひとつに溶け合い、いつもみずみずしい「健康を創造する町づくり」をモットーにガムシャラといいたいほどの町ぐるみ運動が起こっている。

風呂に入れるかが健康のバロメーター
九州大学名誉教授で外科医の辻秀男医博は次ぎのように語ってくれた。「日本人はみんな風呂好きといえる。風呂に入れるかどうか?風呂はまだだめ、といわれた当人は自分はまだ病人かと思い沈み、逆に手術後間もなく風呂に入ってもいいよと言うと、たちどころに目がイキイキしてはや治った気分になる。風呂に入れるかどうかが病人であるかどうかのバロメーターみたいなもの。この患者心理は病気そのものに大きな影響を与えている。」   そこで抜糸前、十分監視しながら入浴許可を出した例は数多くあった。泉質にもよるが、傷そのものにさわりがないどころか治癒促進効果もあり、それに患者心理と相まって、むしろ回復にスピードが加わる。病気はたとえ同じ病名でも十人十色、いや百人が百人みな違う。そこに適切な温泉浴を併用したら、その治療効果は時としてびっくりするようなことが起こる。
温泉に気候風土が微妙に絡み合って五感を刺激し、心身ともにリフレッシュできる。温泉は天然の恵みそのもの。治療の補助作用もさることながら、予防医学の面でいま一度見直されて当然。それには環境がもっとも大事であろう。

「今に見てみい。」田舎の良さが明るくづく
のどかな田舎風景の中に住宅があり、商店と野趣に富んだ温泉宿がひっそり見え隠れする。その中を人気上昇中の辻馬車がトコトコ通る。町の人はみんな親切でぬくもりの心が伝わる。安心して行ける町、由布院だが、ここまで辿り着くには切ない長いトンネルがあった。昭和50年九州中部地震をもろに受け、代表的なホテルや   道路、農地は崩壊して、由布院はもう立ち直れないと言われるほど打ちのめされた。
この痛手からいち早く立ち上がったのが旅館関係者で、辻馬車を走らせようのアイデアである。馬力のある対州馬を買い入れ、ホロ馬車で町内の名所を巡らせた。発想の転換、禍いを幸せにひっくり返す力がこの町にあった。それは「今に見てみい。」が口ぐせの良きリーダーに恵まれ、町民こぞってこれに右ならえする気風の芽生えであった。当時年間150万人の観光温泉客はいま300万人に膨れ上がっている。

緑を守り今度は「クアオルト」の実現
高度成長といわれた時代、町内の原野山林に大手企業が分譲別荘やレジャー施設の開発の手をのばしてきた。自然と人間の調和を合い言葉にしてきた町の人達は、ふるさとを守るためにはどうしたら良いか、連日ケンケン、ガクガクの議論が続いた。
そうだ牛がいれば牧野が必要だ。そうすれば原野は守れる。しかし現金収入の少ない農家に急に牛を買えというのは無理。この資金作りで考えついたのが「牛一頭牧場」である。都会の人に5年契約で20万円の出資をしてもらい、そのお金で農家が牛を買う。期間内に生まれた子牛を売って出資金を返済し、利息は毎年新しい農産物を送る。契約期間が終われば親牛となった牛が農家に残る、といったユニークな仕組みである。利息代わりの農産物作りが「一村一品」運動につながるなど思いがけない収穫もあった。
  そして今度は高齢化社会に向けた健康づくりの「クアオルト」(保養温泉地)の実現に踏み出した。設計図でっは敷地11000平方メートル、建物は主体となる温泉館のほか物産館、健康食品作りの講習会を開く研修棟、健康相談室、数十種類の香りをくゆらせて香りを楽しみ茶席も設ける香室など。
延べ2500平方メートルの建物は、木造イメージの平屋建て。敷地2キロメートル以内は排気ガスの自動車の乗り入れ禁止をして、代わりに公害も騒音もない電気自動車の走るマチにする計画である。
 
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