NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
名湯百選 名湯百選

湯来・湯の山温泉 ゆき・ゆのやまおんせん

神経痛関節痛 痛風動脈硬化 高血圧胆のう胆石症 慢性消化器病病後及び疲労回復 健康増進など

<所在地>(湯の山)広島県佐伯郡湯来町湯来
<交通>広島バスセンタ−から直通80分、湯来〜湯の山は車で10分
<泉質>単純弱放射能泉

温泉療法医がすすめる温泉 前田勝雄
(呉市中央医療法人社団永楽会前田病院院長/内科 物療/医学博士)

心なごむ、山峡の姉妹温泉。
温泉いいね、大好きだよ・・・・・・。院長室に"両鏡相照"見事な筆さばきの書。これを信条としているという、前田先生は「いくら好きでも、   温泉ならどこでもいいというのはあまりほめた事ではない。自分の身体に合った温泉を先ず選ぶことが大切だ」と、話を切り出してくれた。

温泉は、病気に待ったをかける妙手
温泉はリハビリなどの療法に積極的にとり入れられて効果をあげているが、療法にならない前の病気予防のための休養、保養に利用するのが一番賢い方法である。先日、会合で四国に昔から伝わる石風呂の話をしたら、温泉の不思議さに関心を集めた。日本式サウナの原形である。温泉は特別なものを除いて薬と違い薬害もない、温泉地に来た、というだけで転地解放感があり、軽いストレスなら消える。病気になってから、あわてても遅い・・・・・・。としたら碁、将棋じゃないが"先手必勝"の一手あるだけ。成人病、特にいろいろな病気を引っ張り出す糖尿病、初期の頃はほとんど自覚症状がないから始末が悪い。温泉は天然のものが一番だが、天然とはほとんど変らない成分の人工浴剤も出回っている。日頃家庭でのんびり温泉気分を味わったらいい。温泉は手術や注射と違って即効的でなく、漢方薬的性質のものだから、やんわりじっくり時間をかけて生活リズムの中にとり入れたら素晴らしい。当人が気付いていない病気予防にかなりの効果がある・・・・・・と。「湯来はよいよい何がよい、四季の眺めと、お湯がよい。山の杉さえ緑の化粧、誰に似たのかおしゃれ好き・・・・・・」昨年同県人の作詞家石本美由紀氏に作ってもらったという、音頭調の平成湯来踊り。これといった特別の景色もないが、山懐に抱かれた心休まる静かなたたずまい。この自然と清流、それに澄んだ空気が「うまい」と感じる温泉である。   歴史は古く、約1200年前、一羽の白鷺が飛んで来て温泉の在りかを教えてくれたという。ぶらぶら歩きしていたら「今日は」と挨拶された。町の人は互いにみんな顔見知りだから、旅行者は一目でわかる。何気ない素朴な一声は、温泉以上に心ぬくもる"親切"が隠れていたようだった。「湯来は温泉の少ない広島県として貴重な存在。これからの社会にどう生かしたらよいか。町は小っちゃくて財力もないけど、10年後、20年後を考える人がいる。これらの人を大きく育てるのが最大の課題です」と、町当局のリ−ダ−は言う。多くの人に湯来を知ってもらおうと、町営の国民宿舎もある。温泉はラドンを含んだラジウム泉で数少ない泉質の一つ。いわゆる放射能泉で、本来は飲泉が主体、それも湧出口で飲むのが原則。ビン詰めにして持ち帰っても効果は薄い。俗に"痛風の湯"と呼ばれ、オシッコの出がよくなるので、療法では高尿酸血症や慢性の尿路炎症、痛風、糖尿病などによい。また俗用で腎機能が改善され、鎮静作用もあるので神経痛やリウマチ、神経マヒ、自律神経の過敏症に効果がある。湯来から少し離れた山合いに、湯の山温泉がある。もともと姉妹温泉。湯来同様古い歴史を持ち藩政時代から湯治場として栄え、今もその面影を残している。山からの流れを利用した、打たせ湯が自慢でマッサ−ジにかかるより効果があると療養、保養をかねた、働き盛りの中年の人達で賑わっている。

想い出作る、ぜいたくコ−ス
両温泉の近くに石ヶ谷峡がある。約7Kの峡谷で新緑と秋の紅葉は素晴らしい森林浴のハイキングコ−ス。広島から車で45分の別天地だけに、同温泉を基地にして日本三景の一つ、海上に浮かぶ朱塗りの大鳥居、色鮮やかな回廊建築の宮島厳島神社。   また県都広島は、世界の平和を祈る人々のメッカ。平和記念公園の原爆ド−ムの前に立つと、ひとりでに顔が下がる。それに加えて美しい瀬戸内のうまいもの食べ歩きは、ちょっと贅沢過ぎるコ−スかもしれない。
 
名湯百選


HomeColumnOn-LineFileSearchSite map




NPO法人健康と温泉フォーラムについてのご意見、ご感想をお寄せください。