相談事例29 - C型肝炎に関するご相談
東京都にお住まいの女性から、ご主人に関するご相談です。 57歳主人はC型肝炎です。14年前にINF治療をしましたが、再燃しています。
現在群馬県で単身住職をしておりますが、温泉が1番の楽しみなのです。 日帰り温泉源泉掛け流し、お泊り等1ヶ月の内20日近く入浴しています。
飲泉はしませんが、関東には鉄分の多い温泉が多いと聞きますので、鉄分の多い
お湯は、低鉄を基本とするC型肝炎には如何なものでしょうか? 又、疲労なしで良い汗を大量にかく岩盤浴(ラジウム、北投石、玉川温泉と同じ
と説明有り)も良く行きます。 肝臓の場所を、腹側、背中側から、じんわりと暖める訳ですが
これも如何でしょうか? 害があれば止めなければと思います。 そして、私も無症候キャリアでC型ウイルスを持っています。
鉄分は皮膚からも呼吸からも、体内に入るのでしょうか?
回答:ご相談の文面からは、慢性肝炎(C型肝炎ウイルス性)でこれまでINFその
他の薬物治療をうけて現在再燃を繰り返している状態と理解されます。 貴方の現在の状況で最も基本的で大事なことは、主治医によって今後の治療方針
がきめられていると思いますので、先ず主治医の指示にしたがって身を処してい
くことです。 そのうえで検査成績や体の状態に準じた生活指導を具体的に訊ねてください。
現在の様な慢性肝炎の再燃(急性感染症と同じ状態)の状態では温泉は先ず禁忌
です。温泉浴の可否は検査成績が安定した時点を待って主治医と改めて相談すべ
きでしょう。 一般に温泉は体力を消耗させるので悪性腫瘍、急性感染症のある時には温泉浴は
絶対にしてはならないという大原則があります。これは今も昔も通用する大事な
鉄則です。世の中にウイルス性疾患や悪性腫瘍に効く温泉というものはありませ
ん。また肝臓を局所的に温めたり、発汗、さては飲泉による鉄分摂取などは肝臓
に負担をかけて益々肝臓をいじめるだけでなんらプラスするものはありません。
なお温泉浴では鉄分が皮膚へしみ込む現象はあっても積極的に吸収することはあ
りません。あなたのような慢性疾患の場合にはとくに医学的根拠のない噂に飛び
つくことは止めて、もっと体を大事にしていきたいものです。たとえ肝障害がな
いキャリアーの場合でも以上のような注意は大事です。
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