相談事例30 - 心房細動と脳梗塞に関するご相談
神奈川県にお住まいの女性から、65歳のお母様についてのご相談です。 半年ほど前に心原性脳梗塞を発病し、左の片麻痺で、現在リハビリ病院にてリハ
ビリ中です。現段階では、車椅子からのトランスに見守りが必要で、トイレも下
衣を下ろす動作ができないため、半介助の状態です。歩行は4点杖と足の装具で、
見守り介助、廊下を片道歩くくらいです。 持病の心房細動は、脈拍80〜90で現在は落ち着いている状況で、ワーファリ
ンを服用しております。 3ケ月前に、回復期リハ病棟から療養病棟へ移り、病院からは退院の話もでてい
ます。このたび、温泉療法というものを知り、ぜひ母にも受けさせたいと思って
いるのですが、発症から4ヶ月以上経っている現在、温泉療法を受けることは可
能でしょうか?もし、可能であるといたしまして、群馬・那須あたりで、 緊急時(心原性で再発しやすいようなので)にも対応できるような病院、あるい
はそのような病院が近くにある温泉病院を教えていただければ、大変ありがたく
思っております。
回答:お母様の場合、心房細動があってこれに由来する塞栓の再発が現在 一番警戒を要する状態かと思われ、そのためのワーファリン服用が行われている
ようです。温泉病院では運動機能回復に温泉療法が広く行われますが、この場合
に温泉に体を沈めて四肢を繰り返し動かす温泉療法では心臓に大きな負荷がかか
ります。発症後4ヶ月では脳梗塞再発の危険も心配されます。温泉療法に特別の
効果を期待することはできませんので、この時期敢えて温泉療法を考えないで、
しばらくは現在の心疾患と機能回復のためのリハビリ治療を続けることが最善と
思います。適切な時期に主治医と相談されて病気の安定した時点で温泉に数日滞
在する程度を考えたほうがこの場合には宜しいかと思います。
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