相談事例31 - 胃癌に関するご相談
東京都にお住まいの男性から、お父様のことでご相談です。 父が、約1年前に胃癌、ステージ4の末期がんとの診断を受けました。
さらに、骨に転移が見られ、東京の都立駒込病院にて、抗がん剤の治療が始まりました。
現在、月に一度のペースで抗がん剤を5日間の入院にて行っています。 ですが、前回の入院の際に、かなりの副作用があり、次回の入院から
抗がん剤の種類を変えて、行う予定になっております。 家族としては、今後抗がん剤ではなく、代替療法などを考えて、
さらに温泉等の効果を期待できないものか、お伺いしたくメールを いたしました。
ものの本によると群馬県の「釈迦の霊泉」が良いと書いてあるので、 温泉に入り、温泉を飲んで少しでも、父の体にプラスになればと
考えています。
回答:お父様が胃癌で骨転移も併発したステージにあり、前回の化学療法で強い
副作用があったことから今後予定されている化学療法は止めて温泉療法を考慮で
きないか、とのご質問と理解しました。 残念ながら温泉療法はがんのような悪性腫瘍に対する効果は全く期待できません。
温泉入浴も、またご指摘のような飲泉についても同じです。むしろ、温泉浴はが
んの進展を速める危険さえあり、そのためがんは温泉療法をしてはいけない禁忌
症の一つとして必ず医学書には挙げられています。ご指摘のあった温泉による代
替療法とは、悪性腫瘍に対する化学療法をきちんと受けながら、病気が落ち着い
た時期を選んで温泉地に出掛け、気分転換・休養による体力回復・温泉浴による
疼痛改善を期待する温泉療法であって、化学療法を受けないで温泉療法を行うも
のではありません。以上の点を理解して戴いたうえで主治医の先生とよく相談さ
れるのがよいと思います。
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