相談事例34 - CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)に関するご相談
愛知県の女性からのご相談です。CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)と呼ばれる神経麻痺の病気の疑いがあると言われました。抗体が自分の細胞を攻撃してしまうとか…。足がしびれて、感覚がありません。病気の進行が不安で気分もすぐれず、胸が圧迫された感じがします。胃も重く固い感じです。 また、医師にかかっても問題が見つからないのですが、慢性的にせき込みます。ひどいときは息ができないほど、気が遠くなりそうな感じです。家族の薦めでリフレッシュのためにも温泉治療はどうかと言われましたが、正直、温泉にはいることで、免疫が活性化して、更に自己攻撃してしまわないか心配です。手足の感覚が少しは戻るといいのですが。
回答:CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)の疑いがあると主治医から指摘され、温泉療法はいかがなものか、というご質問と理解されます。ご指摘のようにこの病気は免疫異常によって末梢神経に脱髄が引き起こされ、四肢を中心に感覚異常や筋力低下による運動障害がみられてくる慢性疾患です。文面からはこれを疑わせるいくつかの症状が既にみられているようです。幸い副腎皮質ステロイドをはじめ、その他の免疫抑制剤、免疫グロブリン、血漿交換などによって患者さんの多くでよい結果がみられています。いたずらに不安を持つことはありませんが、検査および治療のために入院が必要ですので主治医とよく相談してください。ところでCIDPのような免疫異常による疾患にとくに温泉が効果があるという報告ありません。慢性の経過のなかで病態が落ち着き、医師からの許可がえられれば温泉に出掛けるのは気分転換のうえで結構かと思いますが、温泉浴(一日に複数入浴、高温浴など)で体力を消耗したり、温泉地滞在中にかぜを引いたり、お腹をこわしたりといったことは病気のぶり返しにつながる恐れがありますので注意する必要があります。
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