相談事例40 - 胃ガン手術後の温泉に関するご相談
東京都にお住まいの男性からのご相談です。
胃がんの為、胃の全摘出手術を受けました。初期の胃がんで、摘出後の病理検査でも転移はみられないとの事安心致しました。現在自宅療養中で、少量ずつですが、食事もきちんととれる様になっていたところ胃腸の働きが弱く便秘になって
しまいました。主治医からマグネシウムの処方をしてもらい服用していますが、痔の症状がでてしまいました。排便の為の苦痛とハリ等で食事もできなくなり先日は、点滴にて対応しまた。現在調子が戻ってきた所です。そこで、痔と胃腸病に良い温泉でのんびりしようと思いご相談しました。関東・東海周辺で良い温泉をご紹介下さい。食事内容について相談できる所があればベストです。
回答:胃の全摘手術を受けた後3ヶ月位の間には、消化器症状を主とする胃切除後症候群がおこる例のあることが広く知られています。消化機能の中心的な役割を担ってきた胃がなくなった今、あなたの体は消化機能の大きな変化に対応し、それを補完するために大切な時期にあります。それには年単位を要する人さえいます。今大事なことは主治医や管理栄養士のアドバイスを受けながら、最も適した食事内容、食事回数その他の生活習慣を決めていく必要があります。便通を整えることでトラブルがあったようですが、これも多くの方が経験する一つです。極めて非日常的な温泉地の滞在は現時点で胃切除後状態にプラスするものはなにもありません。「腸が胃の代わりもできるようになってから」安心して温泉地に出かけることをお勧めします。なお温泉浴について付言しますと、浴温度は消化管に種々の影響を及ぼしますから、それに留意さえすればどんな温泉も「胃腸にいい温泉」となります。泉質にこだわる必要はありません。
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