相談事例44 - 僧帽弁閉鎖不全症に関するご相談
千葉県にお住まいの男性からのご相談です。
僧帽弁閉鎖不完全症の家族の事でご相談します。
不整脈があり、逆流を止める僧帽弁の筋肉が弱まり腱索が緩んでいると言われて
いますが、手術をするほどではないとの診断を受けました。きちんと温泉療法医
が指導してくださる温泉にしばらくの間逗留治療したいと考えています。二酸化
炭素泉が良いと聴いていますが、予定している二週間程度の間に、日別にどうい
う浸かり方をしたらよいのでしょうか。尚、時間はありますが年金生活です。有
効で、できるだけリーズナブルな温泉をご紹介頂けたらと考えております。アド
バイスをお願いいたします。
回答:僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁が種々の原因で変形していて、そのために心臓
の収縮期に左室から大動脈に押し出されるはずの血液が逆に左室に逆流してしま
い、心臓のポンプ機能が低下してしまった病気です。この僧帽弁やそれを支える
筋肉、腱索の変形は手術で治す事ができますが、現在はその必要はない程度の状
態のようですね。この点は今後とも主治医の指示にしたがっていくことが大切で
す。ところでご質問の件ですが、二酸化炭素泉はこれに含まれる二酸化炭素が入
浴中に皮膚に浸入して直接血管に働いて血管緊張を和らげて血液循環を促す働き
があり、そのため血圧を下げて心臓の負担を減らす効果に優れていて、高濃度の
温泉の多いドイツでは別名"心臓泉"とも呼ばれています。以上のことからお分か
りかと思いますが、二酸化炭素泉は僧帽弁閉鎖不全症のような弁の変形による疾
患には効果は期待できません。ただ高血圧症、動脈硬化による血行障害などのあ
る方には二酸化炭素泉の連続浴は血圧や血行改善に十分効果は期待できます。こ
の種の温泉の少ない、またあっても含有量の少ないわが国にあって有馬温泉、薬
師温泉などが知られていますが、強く望んでおられる"有効でできるだけリーズ
ナブルな温泉"となれば二酸化炭素泉効果を確実に享受できる、家庭で出来る市
販の人工炭酸泉の利用でも良いと思います。
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