相談事例49 - 急性白血病と温泉療法に関するご相談
大阪にお住まいの女性からのご相談です。
57歳の親戚が一年半前から再生障碍性貧血を発症し、その後病状がさらに悪化。
現在は急性白血病と診断され、ここ数ヶ月は高熱を出しています。
化学療法をしてきましたが、治療中何回か気絶したことがあり体質に合わないと
いうことで、一年前から本人の希望で漢方による治療も加えています。
現在は少剤量の化学療法と漢方療法を行っていますが、良くなる気配が見えない
のです。白血病は一種のがんと考えれば、岩盤浴はがんに効くという話はよく聞
きますので、家庭で岩盤浴ができる「足の助け」というものを病人に使わせても
大丈夫でしょうか?何か治療効果が期待できるのですか?それとも病状にはよく
ないのでしょうか?
回答:一年半前から再生不良性貧血の状態があり、その後急性白血病と診断され、
現在漢方療法も併用して化学療法を受けている状況と理解しました。
私の察するところ、ご当人は白血病の診断前、骨髄異形成症候群の経過があった
のだろうと思います。いずれにしろ今は急性白血病がはっきりと前面に出てきて
いる状態と推定されます。年齢や発症経過からみますと、このような前段階を経
て急性白血病がはっきりしてくるケースは珍しくありません。それだけにこういっ
たタイプの白血病に対する最適な種々の治療法が確立されています。お話では、
それに伴う副作用で困っているようですね。治療経過のなかで白血病に対する最
適な化学療法を見つけ、寛解状態にもちこめることが今の重要な目標となります。
化学療法に伴う種々の副作用が出ることは治療スタッフも十分承知して患者さん
に適した治療メニューを考慮してくれているはずです。適切な化学療法の何回か
の繰り返しを受けてはじめて元気な体を取り戻せることが可能です。
寛解状態を取り戻した時点で主治医の了承を得て温泉に出かけるのがよいでしょ
う。白血病や腫瘍性疾患のような消耗した状態での温泉療法は昔から禁忌で、全
身の消耗を益々増強するだけです。元気なときには家庭での足浴は結構かと思い
ます。
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