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温泉療法医相談室 相談事例一覧

相談事例5 − 脳血管障害発症後、寝たきり状態の患者さんのご相談

大阪府にお住まいの女性から、64歳になられるお母様のご相談です。
母が6年前に脳梗塞で左半身麻痺。1年前に脳出血で右半身軽い麻痺。昨年約一年間の入院生活が原因か、振戦を止めるために飲んでいたアルマールの影響か、身体能力が低下して寝たきりになってしまいました。食欲も無くとうとう栄養失調でまた入院してしまいました。今はアルマールを止めているのですが、すぐには回復せず鼻にチュウブで栄養を取っています。転院を求められているのですが、温泉治療とかはどうでしょうか。気分が変われば食欲も出ると思うのですが。重度は受け入れてもらえないでしょうか。(ちなみに一月までは介助付でトイレで排泄する能力はあったんです)
一応老健と療養型の返事待ちなんですが、大阪は中々空きがなくって。どうぞ宜しくお願いします。

回答:2回にわたる脳血管障害発症で両側麻痺が残り、現在ねたきり状態がつづいていて、経管栄養で栄養を維持しているとのことですね。一般にどんな温泉でも温泉浴は体の消耗を伴います。このような状態で温泉浴をすると忽ち全身衰弱を起こしてしまうでしょう。経管栄養のできる施設で先ず栄養状態の維持、改善をはかり、合併症が起こらないよう介護していく必要があります。将来自分で食事がとれるようになり、排尿、排便も出来るようになって体力も回復した時点で初めて温泉保養が考えられるものです。
介護を必要としない状態を高齢者に出来るだけ長く維持してもらううえで温泉は有効です。温泉の介護予防効果はこれから大いに期待したいものです。

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