相談事例52 - くも膜下出血に関するご相談
奈良県にお住まいの男性からのご相談です。
今から約9年前、乖離性の動脈瘤破裂で、くも膜下出血を起こしましたが、手術で一命は取り止めました。小脳と脳幹に損傷があり、後遺症として右半身の麻痺と左半身の感覚麻痺、目まいが今もあります。特に辛いのは、右半身の首から肩、腕にかけての硬直感で、いつも縛られて重りを付けている感じです。硬直していない左手に何か物を持つと途端に右の硬直感が増して余計にフラツキが強くなって真っ直ぐ歩けません。右手での作業は細かい作業でなければほとんどのことは自分でできます。できないのは、走る事、歌を歌う事、大きな声を出すこと、自転車にのることなどです。
来年、永年勤続で1週間の連続休暇をいただけますので、私のような症状に少しでも効果がある温泉治療をご紹介いただきたくお願いいたします
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回答:9年前にくも膜下出血を発症、そのための手術の後も、今なお片麻痺、感覚障害、小脳症状などの脳血管障害後遺症が持続している。そして現在主治医のもとで、血圧、高脂血症の管理がきちんとされているとの由、これは今後とも大変大切な事ですね。ところで主治医からも説明されていると思いますが、あなたの場合、発症から既に長い経過が過ぎていて今後のリハ治療による効果に大きな期待はもてないと思われます。また温熱・浮力作用を利用した温泉療法も同様で、今考えておられる一週間の運動浴療法に特別の改善効果は期待できません。ただ長い闘病生活を送ってこられた患者さんにとっては、気分転換を図るうえで短期間の温泉療法でも意義あることと思います。温泉療法医の指導のもと、リハ療法を行っている病院を紹介しますので主治医の了解をえて、滞在方法も含め相談してみてください。
榊原温泉病院(三重県久居市、рO59−252−1111)
小山田温泉記念病院(三重県四日市市、рO593−28−1260)
リハビリテーションセンター鹿教湯病院(長野県丸子町、рO268−44−2111)
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