相談事例55 - 虫垂がんに関するご相談
千葉県にお住まいの40代の男性からのご相談です。
3年前、虫垂がんとの診断で盲腸と大腸の一部を切除。3ヶ月前、大網・腹膜・大腸に再発。切除するが腹膜に細かい病変が残り、現在化学療法を実施中。現在治療の合間で体調もいいため、次の治療までの間に気分転換に温泉でもと考えています。主治医に相談したところ、気分転換にいいですから行ってくださいと言っていますが、温泉療法医ではありません。温泉の成分表にも「禁忌症」としてよく記載されているため大変迷っています。ご指導の程よろしくお願いいたします。
回答:虫垂原発の癌の摘出術を受け、その後の再度の手術後もなお一部腹膜に癌細胞が残存している、そのための化学療法を現在受けている状態と理解しました。一般に現在受けている化学療法には癌細胞のみでなく正常細胞も傷害する働きがあり、そのために体力の消耗も程度の差はあれ必ず起きてくる副作用です。今あなたにとって重要なことは残存する癌細胞を一掃することにあり、そのための化学療法に耐える体力を維持し、化学療法で起き易い感染症にかからないような生活環境下にあることが今大変大切なこととなります。ご指摘のように温泉療法はあなたの体力を消耗させ、残存する癌細胞を勢いづかせる恐れがあります。今は術後の治療に専念し、治療が終了して体力も回復した時点で主治医と温泉行きを相談されるのがよいでしょう。
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