NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
FORUM REPORT FORUM'99
 
パネルレポート1
-「活き活きと」石和をめざして-



石和町長 石原 昭夫
 昭和4年生まれ。石和町長。東八代広域行政事務組合代表理事。
 健康と温泉FORUM '99 in 石和実行委員。








 温泉と地域経済-その活性化をさぐると題したパネルディスカッションに参加させていただきまして、思い起こすことは、7年前に開催された「温泉郷誕生30周年記念・温泉フォーラムいさわ」であります。
席上、パネリストの皆さんから石和温泉郷の将来像について多くの提言がありました。
特に印象的な発言は、「これからの観光地は、そこに住む人々が自ら誇れる地域にしなければならない。」ということでした。
 誇れる事柄とはまさに今日のテーマである活性化の産物であり、このことが地域経済を押し上げるポイントであると考えるからであります。
幸い石和町には、誇れるであろう幾つもの要因が存在しています。豊富な人材であり、温泉であり、取り組む自然などであります。そして、スコレー都市構想の概念がバックボーンとなっている第三次総合計画です。昭和六十一年度に策定されたこの計画は、当時の現状を固有の歴史や地理上などといった様々な条件を勘案して大胆に分析、来世紀への道標として町民参加の理想郷づくりの道筋と、あるべき姿を示しています。
 さて、昨今の社会における風潮の中には、余暇とか健康というのが目立ちます。会社人間であることを否定し、余暇の中に趣味を活かした自分自身の人生を求める。高収入を犠牲にしてまでも束縛を嫌い、縦の人間関係でなく横のそれを尊重する。ハードでなくソフトに、健康に留意して知的好奇心を充足させ、納得した人生を歩む。こうした意識が、時代の流れではないでしょうか。
 そこに、石和温泉郷が発展する拠り所があると考えます。 喧騒の都会生活を離れて訪れた人にふるさと感を抱いていただけるような温泉と自然を主体とした安らぎや、ストレスが解消できる空間が提供できれば、再びこの地を訪れてみたい。そんな客の増加の可能性があります。そうした環境こそが、住民の皆さんにとっても暮らしやすい地になるはずであります。それがスコレー都市であると私は確信しています。
 石和町は観光関連産業を中心に成立する都市であります。果実栽培を主体とする農業が基盤にあって、その上に温泉湧出による温泉観光地化がなされたという経緯から、農業と観光が一体でなければならない宿命をもった観光地と言えます。
 観光活動の構造は、国民の所得増大、余暇時間の増大とともに大きく変化することは言うまでもないことであります。
 観光地経営として、観光地・石和を官民一体の経営として運用していく方向性を考えることも大切であります。
 その一つは地域との密着度・連携性であり、もう一つは地域文化の歴史や新しい文化づくりに連携した文化型であります。この両方を取り入れた産業・文化型観光地でなければならないと思うのです。一般的に日本人は余暇の過ごし方を知らないと言われておりますが、時代の流れとともに心身の「健康」をキーワードに人々の考え方などが変わっていくのではないかと思うのです。
 例えば石和町は古くからのソフトテニス人口の多い地であります。石和町文化公園の中に公式試合の出来る中央テニスコートが12面整備されています。このコートを活用し、全国的なレベルの公式試合等が開催され、選手・役員の方々の来町も多く、こうしたスポーツ大会等を通しての温泉利用も大変有効だと考えます。
 私はこうした機会に、来町された方々が石和町に何日か滞在し、温泉でくつろいだことを、それぞれの地に帰り、石和温泉を宣伝してくれることが何よりもPRになることと思います。そして、 選手役員ではなく、再び立場を変えて石和に来てくれるならこの上ないよろこびであります。
 したがって、ふるさと感を与えるもてなし(人情)も大事な要素になってくるだろうし、観光に携わる人材の教育、施設面の充実などが重要であります。石和の地は、目玉となる観光資源は唯一温泉であり、自然であり、豊かな人情がプラスされればこれに勝ものはありません。有限な天与の恵を大切に活用する中で、より有効な利用の方策が見出されることを望みたいものです。


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