ギリシャの温泉地紹介〔2〕　海外温泉地情報

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ギリシャの温泉地紹介〔2〕

イパティ

		アテネから232km、イティ山のふもとにイパティ温泉がある。この地域は、オリーブ、ブドウ、ピスタチオ、小麦などの農作が盛んで、緑豊かな美しい田園風景が広がっている。　ストラボンによれば、イパティの泉はBC340年の地震によって湧出したものである。源泉は、炭酸ガスを含む食塩泉で、心臓病などに効果がある。源泉周辺は広大な保養公園として整備され、源泉近くに111の浴室をもつ温泉施設がある。

プラティストモ
		プラティストモはイパティの西方約20km。標高420mの山中にあり、スピヒオス川の渓谷に2つの硫黄泉がある。この泉は肝臓病、消化器疾患に効果があるとされ、飲用として用いる。この温泉地の歴史は新しく、1930年代の民間事業者の開発により始まったもので、その後GNTO(ギリシャ政府観光局)に移管され、新しく飲泉施設とホテルが建設されている。緑豊かな86haの山中に現在130ベットの2つのホテルと飲泉施設、レストランがコンパクトに配置され、保養客にとっては格好の避暑地となっている。

キリニ
		アテネから300km、ぺロポネソス半島の西端の岬にキリニ温泉がある。この地域は、広大な砂浜と松やユーカリが繁茂する森があり、近年リゾート地として人気が高まってきている。　キリニの鉱泉は古代から知られるものであるが、1920年代に民間事業者により飲泉施設、水治療法施設、宿泊施設などの整備がなされた。その後GNTOに移管され、1970年代から2つのホテル、キャンプ場、海水浴のためのサービスセンターなどの整備がなされ、リゾート地として充実した内容をもつものとなっている。　キリニの源泉は2つ、25度の含硫黄食塩泉で、毎分500lの湧出量である。この鉱泉は呼吸器疾患、ぜん息などに効果があるとされ、ギリシャではまれな吸入療法が行われている。　治療観光客の誘致を目的に、GNTOでは新しい温泉施設を整備中で、3年後の完成を予定している。現在、全体の躯体が出来上り、その概要を知ることができる。当施設は、ホテルに隣接して設けられ、床面積は10,000平方メートル,1日6,000人の利用に対応ができる巨大な施設である。施設内には、250人が同時に利用できる吸入部門、32の浴室、部分浴室、2つの屋内プール等が予定されている。

カイアファ
		アテネから340km、ペロポネソス半島の西端に山と松林に囲まれた美しい湖がある。湖に浮ぶ小島には3軒のホテル(現在改修中)、対岸の山ぞいには2ヶ所に鉱泉が湧き、浴場と飲泉施設がある。この広大な湖一帯(約600ha)が、カイアファ温泉である。　鉱泉は、ニンフの泉、イラニオの泉として古代ギリシャ時代から、皮膚病にすぐれた効果があると知られていた。温泉地の開発は今世紀初頭に始まり、温泉施設は1926年に完成したもの。　ニンフの泉は、巨大な洞窟内に湧出し、大小2つの天然の温泉プールとなっている。34度～35度の硫黄泉で、洞窟内は温泉蒸気に満ち、吸入療法、蒸気浴、運動浴が同時にできる。温泉施設はこの2つの天然プールに接して設けられており、更衣室、受付、20の浴室などから成る。浴室は源泉を温めて36度程度で用い、入浴料は天然プールよりも若干高い。治療客は1回当り、洞窟温泉もしくは浴室で約25分の入浴を行う。浴室にくらべ洞窟温泉は野趣にあふれ、人気が高い。　イラニオの泉は、ニンフの泉から1kmほど離れた湖岸にあり、岸壁の小さな洞窟そのものが飲泉施設である。　カイアファは自然環境、景観とともにすぐれ、また温泉源での入浴という最もぜいたくな温泉療法ができる。現在GNT0によりホテルの改修が進められており、今後の発展が期待される。

ニシロス
		ロードス、コスなどのトルコに近いドデカニス諸島の一つに、火山の島ニシロス島がある。島の中央には直径4kmのカルデラがあり、その中の5つのクレーターから熱い硫黄蒸気が噴出している。島の周囲は、切り立った崖が海に落ち込み、わずかな平坦地が集落やリゾート地となり、変化に富んだ美しい景観を形成している。　ニシロスには、この火山活動による温泉が島内各所に見られ、島の中心地マンドラキから1.5kmの海岸沿いに温泉施設がある。この施設は19世紀後半から20世紀初頭にかけて整備された4棟の建物群で、町が管理運営を行っている。現在、利用されているのは32の客室と12の浴室をもつホテルで、残りの建物はレセプションホール、レストラン、浴場に改築する予定である。島内には地熱を利用した、天然の蒸気浴施設も残され、火山と共に生きる人々の生活がしのばれる。

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