相談事例3 − アトピー性皮膚炎に関するご相談

愛知県にお住まいの女性からのご相談です。
幼少からアトピー性皮膚炎に悩まされており、皮膚科にも通っていますが、治療というよりは抑制という感じです。特に季節の変わりめにかゆみがひどく、この４月もひどい状況です。
温泉療法がいいと知人から聞き、湯治が良いのではと思うのですが、相談可能なお医者様があれば教えていただきたいと思います。また、良い温泉地のご紹介をいただけるとありがたいです。ちなみに、乳幼児がおり両親などと同伴可能な温泉場がありますと、非常に助かります。

回答：アトピー性皮膚炎に温泉療法はどうか、という主旨の相談かと思います。
現在アトピー性皮膚炎で困っている方は多数おられ、温泉療法についての相談も数多くよせられております。アトピー性皮膚炎の発症原因については医学的に充分解明されるまでには至っておらず、従って本疾患に対する根本治療は確立していないのが実状です。治療効果が期待されているステロイド薬も使い方次第では弊害も出てきてしまって困っているケースもあります。それぞれのケースに応じた薬物治療や生活環境の確立が重要です。そのためには先ず皮膚科専門医と相談しながら、きめ細かく病気に対処が大切です。
一部の温泉にはこの病気に伴う「かゆみ」の軽減に有効なことが報告されていますが、これもあくまでも病気を治すのではなく、症状改善効果が期待できるということです。現時点では、温泉によってはかえって増悪させる恐れもありますので温泉療法は慎重に考える必要があります。皮膚疾患の温泉療法に長年取り組んでこられた野口順一博士（岩手県盛岡市中野1-10-10　河南病院　019-653-6161）を紹介しておきます。