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日本の温泉地再生への提言 [51] -第2グループ 学者・専門家・団体

温泉の在り方について

谷本 亙
財団法人 地域振興研究所 常勤理事



とにかく温泉及びその温泉に付帯するこだわり旅館のブームである。様々な雑誌では特集テーマに温泉が付けられていることがきわめて多い。温泉も食品と同様に本物志向になってきた。まさに、中高年を中心として国民皆温泉現象でもある。物の所有を考えなくなってきた時に温泉に行き着いたとも云えよう。

歓楽型温泉の人気があった時代は男性が主導した。そして、そこでは温泉がつかの間のオアシスとして使われたのである。ゆったり入るという考え方よりもとにかく温泉に浸かっただけである。
今では大きいだけや特徴がなく効率追求だけのところは人気がなくなってきた。そういう旅館が多い温泉地も同様である。飽きられてきらわれ徐々に淘汰されてきた。
これからはむしろ旅館自身が魅力を主張するというより、環境との調和やまち全体が
魅力を醸し出す方向に転換するだろう。たぶん間違いなく先導するのは今度は女性で
ある。

大型旅館でも顧客の満足度が高いところがあるので一概にいえないが、少なくとも資源として温泉の質量と使い方にはこれまで問題があったというべきである。大量に湧出する場合はともかく、大きい浴槽であることが良しとされた。湯量以上に様々なタイプの湯槽を設備するのであれば、原点の本物の温泉の湯槽は湯がきちんと味わえるものにして、それ以外はそれとは異なることを明示していくべきである。

プチ湯治の提案がある。本当は働き盛りの人が参加して欲しいが徐々増えて欲しい。3日間のプチ湯治で温泉を気軽に味わうツアーの提案をどんどんしたい。旅館はリーズナブルで対応してもらいたい。3日連休や休日を合わせたもので心身リフレッシュをするのである。日本人はとかくなにもしないで過ごすことを嫌うので、それこそ上質の音楽や読書三昧をパックして、さらに着かず離れずの便利な案内人がいるとより望ましい。


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