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日本の温泉地再生への提言 [54] -第2グループ 学者・専門家・団体

たまには、温泉でハメをはずしたい。

浅野 芳生
株式会社デベロ代表取締役 日本在宅介護協会 常任理事



厚生労働省がまとめた「平成13年簡易生命表」による日本人の平均寿命は、男性78.07歳、女性84.93歳である。男性はアイスランド77.6歳を女性はフランスの82.5歳を上回っておりまぎれもなく我が国は世界一の長寿国である。
ところで「長寿国日本」を生み出す背景に日本人の″風呂好き″が大きく影響しているとは考えられないだろうか。日常生活の中で入浴がかかせない我々日本人の清潔好きは、他の色々な理由とあいまって日本人の寿命をのばしたとはいえないかということである。しかし、その一方で我が国は、長寿と少子があいまって大変な少子高齢化社会である。その影響が労働投入という供給のみならず、消費の停滞をまねきあらゆる分野の需要減が問題となっているところである。特に、貯蓄率の高い高齢者が消費に慎重になり消費不況の一端を担っているといわれている。
このような背景から、今後の温泉地の需要創出を高齢者に的を絞って考えてみたいと思う。一般的に今後の需要創出のカギは、豊かさ.ゆとり.健康.安心にあるといわれている。これらすべてが高齢者が温泉を選ぶ際のキーポイントと考えられるがここにおいては、健康と安心に視点をおいて意見を述べさせていただくこととしたい。
日本全国あらゆる温泉地で健康については、大きな題材としてすでにその取り組みが進められている事と思う。昨年度、いわき湯本温泉郷で開催された健康と温泉フォーラムにおいても、長期滞在型の温泉地の活用が提案されていた。健康を意識した保養プログラムには、入浴はもちろんのこと数々のメニューがプラン立てされていたと記憶している。
その中に、保養の際のファッションもあわせて企画されるとさらに楽しいプログラムとなるのではないかと思う。例えば、散歩のストリートファッション特集など。当然のことながら高齢者であっても異性を意識してかっこ良くありたいわけである。オレンジ色や黄色のカラフルなフリースジャケットで散歩すれば、身も心も若返りそれこそ大変健康的である。さらにそれがキッカケで微笑ましいロマンスがうまれるやもしれない。
そして安心ということで考えると、私が申し上げたいのはたまに温泉に行った時ぐらいハメをはずしても安心だということだ。いくつになってもストレスはたまる事と思う。仕事は定年を迎え経済的には、何の不自由もないのだが日常の生活では息子夫婦に遠慮して生活しているなど。「たまに温泉に行ったときぐらいおもいっきりハメをはずしたい。」これが正直なところではないかと思う。
その方法は温泉旅館の経営者の皆様方にお考えいただくとして1つだけ申し上げます。あのお座敷の座椅子なんとかならないでしょうか。高齢者になると筋力がおちます。腰痛もちの方も大勢いらっしゃいます。ひざが硬くなります。とにかく座椅子ケツの座りがわるいんです。(少々、下品な表現はご勘弁願いたい。)ケツの座りが良いこれがまずはハメをはずす第一歩と考えます。しかし、座椅子のすわりが悪いぐらいですからハメをはずしてもたかだかしれています。どうか、旅館経営者の皆様ご安心を。


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